発達障害における問題行動として、破壊・他害行為があります。今回、破壊・他害行為解決に向けた考え方について、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
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問題行動は通常、子供の家庭や学校への適応を著しく困難にしているものをさします。
問題行動が、大人の都合の悪いものとして捉えられている場合もあり、詳しく状況を把握する必要があります。
成人においても、強いストレスがかかると、注意散漫や攻撃的になることがあります。
そのため、子供の場合でも、精神的な側面が反映されていることも理解しておく必要があります。
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基本的には問題の原因を探っていきます。
しかし、原因と行動が直接的に結びつかないことも多くあります。
通常〈しなくてもいいことをする〉のは、好きでやっているというより〈しなければいけないことができないので〉、している場合が多い。
したがって適切な動作が獲得されていくと、〈しなくてもいいことをする〉暇がなくなり、問題行動も減少することが考えられる。発達障害と作業療法[実践編]
対処方法には、
①問題行動が出現する原因や機序に直接アプローチする
②適応的行動を増やし、間接的に問題行動を減少させる
ことが考えられます。
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他害行為は抑制されるべきですが、物を壊すことはセラピストの中には自発性が現れていると捉える場合もあります。
しかし、それらの行為は社会的に受け入れられるわけではありません。
物には適切な使い方があり、それ以外の使い方をすると壊れてしまいます。
子供は1歳近くになると、かじる、投げつけるなどの様々な操作を試みるようになり、その行為を楽しんでいます(第3次循環反応)。
この発達段階では、こどもは物の固有の使い方を理解しておらず、腕力だけがついてきてしまっているので、物をよく壊してしまうことになります。
他害行為はについて以下のような考えがあります。
人を人として自覚すること、他人の感情を想像することの欠如・低下に起因するものとも考えられる。
発達障害の作業療法 [実践編]
人に近づいてきていきなり噛み付いたり、人を突き飛ばして喜んでいるこどもがいたとして、やられたこどもが泣いたり、それを周りの大人が騒ぐことで、正の報酬となりさらに他害行為が強化されることもあります。
破壊・他害行為は物・人の理解の不十分さからきていますが、それらの理解が進むからといって自然にそれらがなくなるとは限りません。
行為が繰り返されることによりある時点で元にもどらないことも考えられます。
高齢者や弱いこどもを狙う場合には学習的な要素も考えられます。
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破壊・他害行為は、止められることによりこどもの中に自己抑制が生まれます。
そのため、それらが起こった時には体を制して止めに入る必要があります。
動機ではなく結果として他人を害することが問題なので、子供にことの善悪を説くよりも、それが許されない行為であることを身体抑制を通して確実に伝えることが不可避になる。
発達障害の作業療法 [実践編]