認知症者の生活する環境の評価として、PEAP(ProfessionalEnvironmentalAssessmentProtocol)日本版があります。今回、その概要と評価方法、環境調整方法をまとめていきたいと思います。
目次
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PEAP(Professional Environmental Assessment Protocol)日本版は、認知症方の暮らしやケア、また施設の方針を含めた視点から認知症の方が置かれている環境を評価できるツールです。
8つのカテゴリー、中項目31個から構成されています
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1.見当識への支援:
時間・空間・そこで行われていることなどが、入居者にとり分かりやすくする環境支援
1)環境における情報の活用
2)時間・空間の認知に対する支援
3)空間や居場所のわかりやすさ
4)視界の確保
2.機能的な能力への支援:
入居者の日常生活動作や日常生活の自立を支え、さらに継続していくための環境支援
1)入居者のセルフケアの自立能力を高めるための支援
2)食事が自立できるための支援
3)調理、洗濯、買い物など活動の支援
3.環境における刺激の質と調整:
入居者の適応や感性に望ましい良質の環境の刺激を提供する。および環境の刺激が混乱やストレスを招かないように調整する
A環境の刺激の質
a-1)意味のある良質な音の提供
a-2)視覚的な刺激による環境への適応
a-3)香りによる感性への働きかけ
a-4)柔らかな素材の提供
B環境の刺激の調整
b-1)生活の妨げとなるような騒音を調整
b-2)適切な視覚的刺激の提供
b-3)不快な臭いの調整
b-4)床などの材質の変化による危険への配慮
4.安全と安心への支援:
入居者の安全を脅かすものを最小限に留めるとともに、入居者、スタッフ、家族の安心を最大限に高める環境支援
1)入居者の見守りやすさ
2)安全な日常生活の確保
5.生活の継続性への支援:
慣れ親しんだ環境とライフスタイルを継続するために、個人的なものの所有や家庭的な環境づくりの2つの側面か ら支援する
1)慣れ親しんだライフスタイルの継続への支援
2)その人らしさの表現
3)家庭的な環境づくり
6.自己選択への支援:
入居者の自己選択が図られるような環境支援
1)入居者への柔軟な対応
2)空間や居場所の選択
3)いすや多くの小物の存在
4)居室での選択の余地
7.プライバシーの確保:
入居者のニーズに対応して、ひとりになったり、他との交流が選択的に図れるような環境支援
1)プライバシーに関する施設の方針
2)居室におけるプライバシーの確保
3)プライバシー確保のための空間の選択
8.ふれあいの促進:
入居者の社会的接触と相互交流の促進を図る環境支援。
1)ふれあいを引き出す空間の提供
2)ふれあいを促進する家具やその配置
3)ふれあいのきっかけとなる小道具の提供
4)社会生活を支える
出典:https://www.dcnet.gr.jp/pdf/download/support/research/center1/16/16.pdf
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評価結果から、環境調整が必要な所に対してどのようなものが必要なのかを考えていきます。
例を挙げると、
・カレンダーや時計の使用による見当識に対する環境調整
・自分の部屋がわかる目印の利用や、トイレだとわかるような目印(シンボル)の利用
・食事意欲が向上するような食具の利用
・細かなことでも本人に選択してもらえるような自己決定への支援
・部屋の中や壁に季節感の感じられるものを貼り付ける、置く
・コミュニケーションの助けとなるようなものを部屋に置く
などがあります。
認知症ケアユニットだけでなく、一般病院や回復期リハビリテーション病棟においても同様に環境評価を行うことで、対象者が安心、安全に取り組めるような環境調整が行えるようにしていく視点が必要になります。
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