排泄リハビリテーションにおける、尿失禁の症状とQOLについて評価するものとして、国際尿失禁会議質問票ショートフォーム(ICIQ-SF)があります。今回ICIQ-SFの概要と評価方法、結果の解釈についてまとめていきたいと思います。
目次
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後藤百万他「尿失禁の症状 QOL質問票 : スコア化ICIQ-SF (International Consultation on Incontinence-Questionnaire : Short Form)」日本神経因性膀胱学会誌 12, 227-231, 2001
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国際尿失禁会議質問票ショートフォーム(CIQ-SF)は国際尿失禁会議により開発された尿失禁に対するQOL質問票です。
尿失禁の頻度、程度、日常生活に対する影響度をスコア化し、尿失禁の原因に対しての質問から構成されています。
質問項目は4つからなり、簡便な質問票となっています。
ICIQ-SFの翻訳版は妥当性が確認されています。
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最近1ヶ月間の尿漏れの状態について尋ねます。
①どれくらいの頻度で尿が漏れますか(一つにチェック)
なし:0
おおよそ1週間に1回、あるいはそれ以下:1
1週間に2-3回:2
おおよそ1日に1回:3
1日に数回:4
常に:5
②どのくらいの量の尿もれがあると思いますか
なし:0
少量:2
中等量:4
多量:6
③毎日の生活は尿もれのためにどのくらいそこなわれていますか
0(全くない)から10(非常に)までの間の数字を選ぶ
④どんな時に尿がもれますか(当てはまるものすべてにチェック)
なし(尿もれはない)
トイレにたどりつく前にもれる
咳やくしゃみをした時にもれる
眠っている間にもれる
体を動かしている時や運動している時にもれる
排尿を終えて服を着た時にもれる
理由がわからずにもれる
常にもれている
質問2の程度の目安
少量:下着が濡れても替える必要がない程度
中等量:下着を替えなければならないぐらい
多量:ズボンやスカートも替えなければならないぐらい
質問3の日常生活に対する影響度
全く困っていなければ0、ものすごく困っているなら1 0、その間ならあなたがこのぐらいと思う点数をつけて下さい。」と説明します。
質問4の尿失禁の原因
質問に対する答えから、尿失禁タイプを同定します。
・トイレにたどりつく前にもれる:切迫性尿失禁
・咳やくしゃみをした時にもれる、体を動かしている時や運動している時にもれる:腹圧性尿失禁
*咳やくしゃみによって誘発される排尿筋の不随意収縮による切迫性尿失禁もときに見られることがある。
・排尿を終えて服を着た時にもれる:排尿後尿滴下(排尿後に後部尿道に残ったわずかな尿が下着にたれること)
・眠っている間、理由が分からず、常に:特異的な尿失禁タイプはなし
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スコアが高くなるほどQOLが不良であることを示しています。