脳卒中片麻痺者では、運動麻痺や筋緊張の問題などで、更衣動作がスムーズに行えない事があります。今回、脳卒中片麻痺者のかぶりシャツ動作のちょっとしたコツについてまとめていきたいと思います。
目次
脳卒中片麻痺者が、かぶりシャツを着る動作を行うときに、つまづきやすい箇所としては、
の2点があります。
これらを行いにくくしている原因としては、運動麻痺、筋緊張、感覚障害、高次脳機能障害、新しい動作スキルとしての定着不足(方法や手順など)などが考えられます。
今回は、筋緊張の問題により、袖に麻痺側上肢を通しにくい場合のコツを学んでいきます。
麻痺側上肢の屈筋筋緊張が高いと、袖通しの際の邪魔になります。
この筋緊張を軽減させるには、
体幹を前傾させる
ことが有効になる場合があります。
体幹を前傾させ、肘を床に向かって垂らすようにすると、上肢屈筋の筋緊張は軽減されやすくなるため、袖通しが行いやすくなります。
この時、袖部分は両方股関節の間に垂らすように設置し、体幹前傾により筋緊張が軽減した状態の上肢を、袖穴に落とし込むことが動作のポイントであり、指導内容になります。
上肢の屈筋筋緊張が高まりやすい方で、上記のように動作が行えない場合、強引に袖通しをすることで肩甲帯が後退し、さらなる屈筋筋緊張亢進に繋がる場合があります。
ちなみに、袖通しに必要な麻痺側上肢機能としては、正中線を超えたクロス方向のリーチング能力、または麻痺側肩甲帯の前方突出・外転機能です。
これらの能力が獲得できていれば、上肢屈筋筋緊張を亢進させずに動作遂行できるようになります。
かぶりシャツを着る際、頭部分を通した後、衣服が肩にかかってしまい、衣服を整えにくくなることがあります。
これを回避するには、頭部分を通すまでに、
ことが必要です。
また頭を通すタイミングで、
ことが必要です。
この2点を意識して動作を行うことで、衣服が肩に引っかからず、その後の衣服を整えることもスムーズになります。
脳卒中片麻痺者の方は、体幹機能の低下も伴って、姿勢が屈曲姿勢になりやすいため、衣服を頭に通した後に、肩から背中にかけて衣服が引っかかりやすい状態にあります。
これに対して、体幹をタイミングよく伸展させることで、衣服と体幹の間に適切な隙間ができるため、衣服を肩⇨背中⇨腰と引っ張りやすくなります。
セラピストの指導のポイントとしては、体幹の伸展のタイミングが速すぎても、遅すぎても引っ掛かりが生じやすくなるため、そのタイミングを口頭指示などにより促して、定着を図るようにします。
https://youtu.be/1gYHKm86jJQ