股関節疾患では、術前や術後のレントゲン画像を確認することで、リスク管理や予後予測に役立てることができます。今回、リハのための股関節のレントゲン画像における骨や筋の各部位と作用についてまとめていきたいと思います。
目次
股関節のレントゲン画像を見る際には、骨の各部位と名称を把握しておく必要があります。
各骨には筋肉が付着し、その走行が筋の作用に影響するため、骨折における骨転移の影響を考えることに役立ちます。
股関節 レントゲン 骨部位
大腿骨転子間骨折の不安定型(Evans分類参照)では、小転子や大転子の骨折を伴っていると、それらに付着する筋肉の作用により骨片が転移する可能性があります。
Evans分類
出典:大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)を一部改変
腸腰筋の付着、走行
腸腰筋の作用
小臀筋、梨状筋、大腿方形筋の付着、走行
小臀筋、梨状筋、大腿方形筋の作用
中臀筋、大腿方形筋の付着、走行
中臀筋、大腿方形筋の作用
前途したEvans分類の不安定型骨折では、骨転移が見られます。
骨転移が生じると、骨片同士の重なり(接触面積)が骨折前と比較すると小さくなります。
接触面積が小さくなると、荷重した際にその部分にかかる圧力が大きくなり(分散されにくくなる)、荷重時痛に繋がることが考えられます。
小転子が転移(腸腰筋の影響)するような例では、腸腰筋が作用しにくくなることがあります。
腸腰筋は大腿骨頭を前方から抑え込むように股関節の安定性を高める働きがあります。
小転子転移例ではこの腸腰筋による股関節の安定性を高める作用を得られません。
このような動的安定化機構を使用できない場合、静的安定化機構に頼ることになります。
立位や歩行の荷重時には股関節屈曲、骨盤前傾位をとるようになります。