股関節疾患の術前リハビリについてまとめています。
股関節疾患の術前リハビリ-評価と訓練、廃用症候群の予防褥瘡・神経麻痺の予防や精神面のフォロー-
術前リハビリを行う意義と目的
術前リハビリを行う意義と目的として、まずは二次的障害の予防が挙げられます。
これには、臥床時間の増加による廃用症候群の予防があります。
術前の全身安静による心肺機能の低下や非術側下肢・上肢機能低下、精神機能の低下を防ぐことが重要になります。
また、手術成績や術後機能の向上も目的となります。
これは、変形性関節症における関節周囲の筋力強化や可動域改善が挙げられます。
他にも、動機づけや心理面のフォローがあります。
これは、術後からのリハ開始による恐怖感と術前リハによる恐怖感の軽減を比べるとわかりやすくなります。
術前では、対象者は先が見えない不安などから、精神的に落ち込みやすい時期になります。
そのような場合、術前からリハビリを提供することにより不安の軽減に繋がる事があります。
股関節疾患の術前評価の内容
股関節疾患の術前評価では、主に以下の項目が行われます。
- 全身状態の評価(カルテやフィジカルアセスメント)
- 関節可動域テスト
- 徒手筋力テスト
- 病前のADL能力や生活環境の問診
これらの評価を行うことで、術後のゴールを予測することも必要になります。
ただし、骨折等での障害部位を動かすことは避ける必要があります。
廃用症候群の予防
高齢者では何らかの併存疾患により早期手術できない場合があります。
そのような場合には、廃用症候群の予防が重要になります。
その際、運動は疼痛のない範囲で行うことが基本です。
運動機能では上肢運動、健側下肢の筋力維持、患側足関節の拘縮予防が必要になります。
また、精神面での廃用も防ぐ必要があります。
会話の中でのリアリティオリエンテーションなどを行うことで、認知機能の維持に努める必要があります。
例えば、「今日は○月○日、○曜日ですね」などがあります。
DVT(深部静脈血栓症)の予防
DVTは、静脈血のうっ滞、血流の緩徐、出血に対する防衛反応として血液凝固機能亢進などにより静脈内に血栓を生じものです。
高齢者、肥満、血栓症既往がある場合は発症リスクが高くなります。
肺血栓塞栓症になると命に危険を及ぼす恐れがあります。
リハビリでは、開始時に胸痛や呼吸苦がある場合は注意する必要があります。
術前より、術後の足関節運動や早期離床を促せるよう説明しておくことも大切になります。
DVT予防と足関節底背屈運動のポイント
DVTの予防には、足関節運動が重要だと言われています。
足関節底背屈運動を行うと、筋肉の収縮・弛緩効果が得られるためです。
足関節運動を行うと、安静時と比較し、大腿静脈の血流量が50%増加すると言われています。
足関節運動を行う際には、力強く足関節底背屈運動を行う事が重要になります。
回数が多ければ多いほど血流量が増加する事を説明します。
ただし、回数に関してはエビデンスがあるわけではありません。
意識づけのために説明が重要と捉えてください。
腓骨神経麻痺と褥瘡
腓骨神経麻痺や褥瘡にも注意する必要があります。
予防には、ベッド上股関節の肢位に注意します。
患側下肢外旋位によるクッション等への圧迫は、腓骨神経麻痺や褥瘡を引き起こす可能性があります。
対応としては、クッションやタオルの利用で腓骨小頭の圧迫を避ける事が重要になります。
この際、膝蓋骨が真上を向いているかに注意します。
日々のモニタリングとしては、
・母趾、足関節背屈
・母趾、示趾間の知覚異常
・下腿外側から足背のしびれ感や疼痛
があります。
精神・心理面のケア
術前リハビリでは、心理面のケアも必要になります。
新たな環境変化による認知機能低下や認知症発症に注意します。
前途しましたが、リアリティオリエンテーションを提供ことが重要になります。
これには、見当識を促すコミュニケーションやカレンダーや時計の使用があ考えられます。
また、抑うつや不安感への配慮も必要です。
術前は特に不安を覚えやすいため、手術後のリハビリの進め方、疼痛の出方(炎症反応等)の説明を十分に行い、安心感を提供する配慮が求められます。
呼吸療法認定士の資格を取りたい方は必見
呼吸療法認定士の資格勉強は隙間時間にするのがコツです。
呼吸療法認定士 eラーニング講座
スキマ時間勉強ならリハノメ
PTOTSTのためのセミナー動画が見られます。
各分野のスペシャリストが登壇しているので、最新の知見を学びながら臨床に即活かす事が可能です。
セミナーあるあるですが、、、メモ取りに夢中になり聞き逃してしまった。
なんてことはなくなります。何度でも見返す事が可能だからです。
高額なセミナー料+交通費、昼食代を支払うよりも、スキマ時間を見つけて勉強できる「リハノメ」を試してみるのも良いのではないかと思います。
臨床で差をつける人は皆隠れて努力していますよ。
長い期間で契約したほうが、月額が安くなります。
PT.OT.STのための総合オンラインセミナー『リハノメ』
PTOTSTが今より給料を上げる具体的方法
転職サイト利用のメリット
何らかの理由で転職をお考えの方に、管理人の経験を元に転職サイトの利用のメリットを説明します。
転職活動をする上で、大変なこととして、、、
仕事をしながら転職活動(求人情報)を探すのは手間がかかる
この一点に集約されるのではないでしょうか?(他にもあるかもしれませんが)
管理人は転職サイトを利用して現在の職場に転職しました。
コーディネーターの方とは主に電話やLINEを通してのコミュニケーションを中心として自分の求める条件に合う求人情報を探してもらいました。
日々臨床業務をこなしながら、パソコンやスマホで求人情報を探すというのは手間ですし、疲れます。
そういう意味では、転職サイト利用のメリットは大きいと考えています。
転職サイト利用のデメリット
デメリットとしては、転職サイトを通して転職すると、転職先の病院や施設は紹介料(転職者の年収の20-30%)を支払うことです。
これがなぜデメリットかというと、転職時の給与交渉において、給与を上げにくいということに繋がります。
それでも、病院や施設側が欲しいと思える人材である場合、給与交渉は行いやすくなるはずです。
そういった意味でも、紹介してもらった病院や施設のリハビリ科がどのような現状で、どのような人材が欲しいのかといった情報が、自分の持つ強みを活かせるかといった視点で転職活動を進めていくことが大切になります。
転職サイトは複数登録することも必要
転職サイトは複数登録しておくことが重要になるかもしれません。
それは、転職サイトによって求人情報の数に違いが生じることがあるからです。
せっかく転職サイトを利用するのであれば、できるだけ数多くの求人情報の中から自分の条件にあった求人情報を探せる方が良いはずです。
その分複数のコーディネーターの方と話をする必要がありますが、自分のこれからのキャリアや人生を形作っていく上では必要なことになります。
また、コーディネーターの方も人間ですから、それぞれ特性があります。
自分に合う合わないと言うこともありますから、そういった意味でも複数サイトの登録は大切かもしれません。
とにかく行動(登録)!管理人も登録経験あり!転職サイトのご紹介!
ネット検索にある転職サイトの求人情報は表面上の情報です。
最新のものもあれば古い情報もあり、非公開情報もあります。
各病院や施設は、全ての求人情報サイトに登録する訳ではないので、複数登録する事で より多くの求人情報に触れる事ができます。
管理人の経験上ですが、まずは興味本位で登録するのもありかなと思います。
行動力が足りない方も、話を聞いているうちに動く勇気と行動力が湧いてくることもあります。
転職理由は人それぞれですが、満足できる転職になるように願っています。
管理人の転職経験については以下の記事を参照してください。
「作業療法士になるには」「なった後のキャリア形成」、「働きがい、給与、転職、仕事の本音」まるわかり辞典
転職サイト一覧(求人情報(非公開情報を含む)を見るには各転職サイトに移動し、無料登録する必要があります)
①
PT/OT/STの転職紹介なら【マイナビコメディカル】