目次
腰部脊柱管狭窄症-どんな病気で症状は?原因は?病型の違いは?進行の仕方は?-
腰部脊柱管狭窄症の歩きにくさ「間欠性跛行」はなぜ生じる?他の病気でも生じる?日常生活での対処方法は?-
腰部脊柱管狭窄症におけるリハビリ-運動効果は?筋トレの必要性は?筋力低下しやすい部位は?筋トレを行う時期は?-
腰部脊柱管狭窄症のリハビリテーション-ストレッチはなぜ必要か?硬くなりやすい部位は?どう評価する?どうストレッチする?
腰部脊柱管狭窄症と手術-行うタイミングは?どんな手術がある?症状は改善する?術後の注意点は?-
腰部脊柱管狭窄症の治療方法-知っておきたい保存療法の種類と内容-
腰部脊柱管狭窄症における歩行障害やバランス障害の特徴-評価につなげる基礎知識-
腰部脊柱管狭窄症で神経症状を軽減するためのストレッチ理論と実践法5選
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腰部脊柱管狭窄症術後リハビリテーション-術後から取り組みたい低負荷腹筋強化運動-
腰部脊柱管狭窄症の術後リハビリテーション-当日や翌日に行うべき合併症予防運動-
腰部脊柱管狭窄症術後の動作方法-腰に負担をかけにくい起き上がり方法-
腰部脊柱管狭窄症と日常生活の動作方法-神経症状を誘発させにくい立位姿勢-
腰部脊柱管狭窄症の日常生活動方法-神経症状を誘発させにくい座位姿勢-
腰部脊柱管狭窄症の日常生活動作方法-神経症状を誘発させにくい起き上がり方法-
腰部脊柱管狭窄症術後のオススメ座位姿勢-腰に負担をかけない姿勢とは?-
腰部脊柱管窄症術後リハビリ-日常生活に必要な股関節ストレッチの方法と注意点-
腰部脊柱管狭窄症術後のオススメ立位姿勢-腰に負担をかけない姿勢とは?-
腰部脊柱管狭窄症術後の動き方-腰に負担をかけない寝方・寝る姿勢とは-
腰部脊柱管狭窄症の手術後に日常生活で気をつける事、やってはいけない事
腰部脊柱管狭窄症は、神経の通り道である脊柱管が狭くなり、中を通る神経や血管が圧迫され、血流が悪くなり、腰や脚の痛みやしびれが起こる病態のことを指します。
一般的には50歳以上からみられ、70歳以上の高齢者では、二人に一人の割合で発症される確率があると言われています。
腰部脊柱管狭窄症の好発部位は腰椎のうち、上から4番目と5番目の間から発生する神経が障害されることが多いとされています。
脊柱管が狭くなる原因としては、以下のことが考えられます。
・加齢に伴う腰椎の椎間板が膨らむ、周囲の靭帯が厚くなる、骨が変形するなど
・他の腰の病気やケガなどの合併症
・長時間の座位・立位姿勢やによる腰へのストレス
腰部脊柱管狭窄症の理解を深めるために、関連ある部位の解剖学を見ていきます。
まず、背骨は「椎骨」が積み重なってできています。
椎骨は、椎体と椎弓から構成され、その間に椎孔と呼ばれる空洞があり、椎孔が連なってできた管が脊柱管です。
脊柱管の中を脊髄や馬尾と呼ばれる神経の束が通り、神経根と呼ばれる神経が枝分かれしています。
腰部脊柱管狭窄症では、脊柱管が狭くなり、中を通る神経や血管が圧迫され、血流が悪くなり、腰や脚の痛みやしびれが起こることがあります。
腰部脊柱管狭窄症の症状を確認していきます。
•下肢の痛み(坐骨神経痛など)
•下肢のしびれや異常感覚(灼熱感など)
•間欠性跛行
•腰痛
•排尿・排便障害(頻尿、残尿、失禁など)
•その他(下肢脱力、間歇性勃起、陰部のしびれなど)
間歇性勃起とは、性的な欲求および興奮とは無関係に疼痛を伴う異常な勃起が持続する状態です。
初期では軽度のしびれや痛みが主で、日常生活への影響は少ないこともあるが、重症化すると下肢の痛み、しびれ、筋力低下により歩行困難になる場合もあります。
腰部脊柱管狭窄症では、腰を屈める(体幹前屈位姿勢)を取ることで神経が通る脊柱管が広がり、圧迫を受けていた神経にゆとりがで木、症状が緩和されます。
腰を反らせる(腰椎伸展(前弯))と、神経圧迫がより強まり、症状が出やすくなります。
前屈位姿勢を長期間に渡りとる事が多くなると、屈曲側(曲げている側)の体幹・下肢の関節が拘縮し安くなります(固まりやすくなる)。
そのため、腰部脊柱管狭窄症においてはストレッチが重要と言われています。
腰部脊柱管狭窄症は、病態により馬尾型、神経根型、混合型に分類されています。
馬尾型
・両下肢しびれ、陰部しびれ、異常感覚を認める
・歩行で症状が悪化
・重症化により膀胱直腸障害(排尿・排便障害)出現可能性
神経根型
・片側の臀部〜大腿部、下腿部へ広がる痛み、しびれ
・圧迫を受ける神経根により痛みの部位や範囲が違う
・重症化により下肢筋力低下出現可能性
混合型
・馬尾・型神経根型の両方の症状を併せ持つ
腰部脊柱管狭窄症では、進行程度により以下の3つの病期の分類があります。
・疼痛の強い時期
・安定化する時期(急性期の強い疼痛が緩和された時期)
・調整期(廃用症候群や筋力低下、拘縮が生じた時期)
リハビリは、安定化期から徐々に開始し、調整期に入れば積極的に行うことが推奨されています。
リハビリの対象者には高齢者も多いことから全身状態を考慮して実施することが重要です。
リハビリではストレッチ、筋力とレーニングを主体とした全身の調整運動、患者教育を実施することになります。
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