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上腕骨骨幹部ですが、まず、「上腕骨」は肩関節と肘関節の間をつなぐ骨です。
その骨幹部は上腕骨の中央部を指します。
上腕骨骨幹部骨折は、直達外力(事故や転倒)により生じます。
これは、打撃や衝突などの外力により加わった力が直接患部に作用した結果です。
また、腕相撲や投球動作の繰り返しによる骨折の場合もあります。
腕相撲の捻転力による骨折では、骨折の様式が「螺旋骨折」になります。
骨折部位ですが、骨幹部の中央1/3の場所で好発するとされています。
上腕骨骨幹部骨折は比較的治りやすい(骨癒合が得られやすい)とされており、これは、骨幹部が軟部組織に富み血管が豊富なためです。
上腕骨骨幹部骨折が生じると、以下のような症状が出現する事が考えられます。
•骨折部における疼痛
•骨折部の変形
•骨折部の不安定性
•開放性骨折(骨折部の骨が皮膚をつきやぶる)
•血管損傷(指の冷たさ、色調が悪いなどが観察される)
•橈骨神経麻痺(まれに正中・尺骨神経麻痺もある)
•偽関節(受傷後6ヶ月以上たっても治癒しない骨折)
上腕骨骨幹部骨折おいて、手術療法の適応について確認していきます。
まず、整復が行いにくく安定性が乏しい場合です。
さらに、遷延治療や偽関節の可能性がある場合も含まれます。これらは、合併症の有無や骨折部の状態によります。
また、保存療法での管理が難しい(認知症など)場合も手術療法の適応になります。
手術療法では、髄内釘やプレート固定等が行われます。
開放骨折などでは創外固定を使用する場合もあります。
手術で固定性が得られている場合、早期より運動が可能となります。
早期運動療法は、機能低下や関節可動域制限を防ぎやすいため推奨されています。
手術での術侵襲が大きくなると、術後は腫れや痛みが生じやすくなるため、アイシングやマッサージが大切になります。
手術療法では、どのような術式で行われたか、どのようなアプローチをとったかを確認しておく事が大切です。
術式は髄内釘、プレート固定が行われます。
アプローチとしては、順行性、逆行性、前方、後方のいずれかが選択されたかを確認します。
髄内釘では、順行性と逆行性のアプローチがあります。
順行性は肩から挿入(骨幹部中央より近位の骨折で多い)します。
逆行性は肘から挿入(骨幹部中央より遠位の骨折で多い)します。
逆行性髄内釘、後方プレート固定では上腕三頭筋の問題が生じやすくなります。
前方プレート固定では上腕筋の問題が生じやすすくなります。
これらはいずれも前方または後方の関節包に入り込む繊維があるため、関節可動域制限に繋がりやすいことから、術後しっかりと柔軟性を確保していく必要があります。
順行性髄内釘を行った場合の評価のポイントを確認していきます。
肩の可動域については、健側の肩関節可動域を参考にします。
肘関節より遠位の関節可動域や筋力を計測します。
浮腫の程度の評価として、周径を計測します。
術創部の状態を確認します(皮膚の柔軟性、圧痛)。この時、癒着や滑走性低下につながる状態かを確認する事が大切です。
三角筋、肩峰下滑液包、棘上筋の侵襲がある事に留意する必要があります。
そのため、肩伸展、肩甲骨上方回旋での内転、肩内旋、結帯動作の評価を実施します。
ただし、可動域測定は運動の許可が得られた後に行うよう徹底します。
逆行性髄内釘、プレート固定における評価のポイントを確認します。
肘関節周囲の浮腫が強くなるため、周径の計測を行います。
術創部の状態を確認します(皮膚の柔軟性、圧痛)。この時、癒着や滑走性低下につながる状態かを確認する事が大切です。
固定性がよく、許可が得られている場合は肘関節の可動域を確認します。
上腕三頭筋、上腕筋の柔軟性を確認します。これは肘関節の可動域制限に大きく関わる筋のためです。