リハビリテーション場面では握力測定は頻繁に行われる評価です。握力は上肢・下肢・体幹筋力との関係もあるとされており、握力測定を正しく行えることはセラピストにとっては必須の事項となります。今回、握力測定の基本的な実施方法と注意点、標準値についてまとめていきたいと思います。

握力測定の基本的な実施方法と注意点、平均値!

握力測定の基本的な実施方法と注意点

握力測定は、その実施方法によって測定値が変わることがあり、基本的な実施方法について知っておく必要があります。
以下に握力測定の実施方法と注意点を述べていきます。

どの種類の握力計が用いられているか

握力計には、スメドレー型とジャマー型が存在します。
おそらく、ほとんどのリハビリテーション施設ではスメドレー型が採用されていると思われます。
スメドレー型は握り幅の調節が自由に設定できますが、ジャマー型は握り幅が5段階(おそらく)と自由度が低い特徴があります。

握り幅(握り方)の注意点

これは一番重要なポイントです。
スメドレー型の握り幅はどのようにすればよいのでしょうか。
指を伸ばした時に、親指の根元(CM関節)から手指の先(一番長い中指)の距離の1/2の長さに握り幅が来るように調整をします。
下図を参照してください。

測定姿勢

測定姿勢は一般的には立位(専門書によっては座位で行ってもよいとの記載あり)で行い、足は肩幅に開きます。
握力計は表示(デジタルまたは針)が外側に来るように握ります。
腕は下に垂らした状態で、体はできるだけまっすぐにしたまま計測を行います。

上記の基本事項を守っていくのが理想ですが、何か特別な事情がある場合は、その旨を記載しておき、次回測定時も同様の条件で測定できるようにしておくことが大切になります。

その他注意点(声かけ)

握力は最大値で計測したいので、セラピストは対象者に対して筋出力が最大限発揮されるように誘導する必要があります。

リウマチによる変形、痛みが強い、極端に握力が低いような場合、水銀柱血圧計を用いた測定方法があります。
詳しくは以下の記事を参照してください。
水銀血圧計による握力測定の方法と実施のポイント、注意点

また、握力の鍛え方については以下の記事も参照してください。
脳卒中片麻痺者の握力の鍛え方、リハビリ、自主トレ方法

握力測定の結果の解釈の仕方

握力測定は、1回の測定で終わる場合もあれば数回の測定を行う場合もあると思います。
データとして有用なのは、3〜5回測定(各施行の間は1分程度の休憩あり)を行い、最小値、平均値、最大値を出しておくことかと思います。

年代別の平均値と比べることで、対象者がどのような状態かを把握することができます。
あくまで参考のデータになります。

20-24歳 46.33kg
25-29 46.89kg
30-34 47.03kg
35-39 47.16kg
40-44 46.95kg
45-49 46.51kg
50-54 45.68kg
55-59 44.69kg
60-64 42.85kg
65-69 39.98kg
70-74 37.36kg
75-79 35.07kg

20-24歳 27.79kg
25-29 28.27kg
30-34 28.77kg
35-39 29.34kg
40-44 29.35kg
45-49 29.31kg
50-54 28.17kg
55-59 27.41kg
60-64 26.31kg
65-69 25.20kg
70-74 23.82kg
75-79 22.49kg

サルコペニアの指標としては、男性25kg、女性20kg未満をカットオフにするという報告があります。
詳しくは以下の書籍を参照してください。
サルコペニアと運動 エビデンスと実践