人間は失敗体験から多くを学ぶことができると言いますが、リハビリテーションの場面では、失敗体験はそれ以後の行動を抑制させてしまう可能性もあり、成功体験を積ませることの方が大切だという意見もあります。今回、リハビリテーションにおける失敗体験が行動にどう影響するかと、行動促進に必要な課題と難易度設定の考え方についてまとめていきたいと思います。



目次

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リハビリテーション場面での失敗体験あるある

リハビリテーション場面では、以下のように失敗体験をさせてしまうことをよく経験します。

①(できないことはわかっているが)一度動きを確認させてください

これは、評価を行う場面でよく見かけるリハビリテーション失敗体験あるあるです。

例えば、少しは麻痺手が動いているが、まだ機能的ではない方に、

「お箸を持って動かしてみましょう」

と、こちらが見たいがために評価として声をかける場面があります。

そして、対象者の方は一度お箸を持って動かそうとするのですが、

「やっぱりダメだ」

「まだだめでしたね」

と言ったりする場面です。

②(できるできないか微妙な機能レベルの方に)一度挑戦してみましょう

これも、同じようなことなのですが、チャレンジ精神を大事にと、機能レベルとしては微妙なラインの対象者に

「一度チャレンジしてみましょう」

と言い、やはり失敗させてしまうようなパターンです。

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作業活動(物品操作課題)と、実生活での作業(ADL、iADL、趣味活動)では、失敗の感じ方が違う?

全ての方がそうだとは言えないとは思いますが、対象者の方は、

作業活動(物品操作課題)<実生活における作業課題(ADL、iADL、趣味活動)

で、失敗体験を大きく感じてしまうような傾向にあると思います。

作業療法でよく用いるペグやお手玉を一つや二つ落としたところで、対象者は失敗に対してあまり気にしませんが、

服を着たり、お茶碗を持ったり、お箸を操作する課題においては、失敗体験を味わうと、より気分状態が落ち込む方が多いと思われます。

このことから、対象者の方は、日常生活レベルに近い課題においては、失敗体験を大きく捉えやすい傾向にあることが予測できます。

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フィードバックも失敗体験になりうる?!

これもリハビリテーション失敗体験あるあるのひとつかもしれません。

例えば、私たちは対象者に遂行して欲しいことがあると、

「体は真っ直ぐにして、手は前に伸ばしてください」

などとアドバイス、またはフィードバックすることがあると思います。

このような助言は、対象者との信頼関係ができていれば大丈夫かもしれませんが、

リハビリ開始後間もないような、信頼関係がまだ十分にとれていない関係においては、

失敗体験だと思ってしまうことがあります。

助言が罰刺激になり、対象者に失敗体験を強く印象付けてしまう可能性があるということです。

初期段階の対象者は、まだまだ成功体験を積み重ねることができていないため、こちが良かれと思って伝えたことが、逆効果となることを覚えておくと良いでしょう。

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失敗体験を重ねると、どうなる?!

失敗体験を重ねると、行動が抑制される可能性があります。

成功体験を重ねると、「側坐核」という、報酬に強く関連する脳部位が働きます。

側坐核はやる気スイッチの部位とも言われており、成功体験が、次の新しいチャレンジや行動を促進することが考えられます。

私たちだって、毎日毎日失敗を繰り返していると、なんだかやる気がなくなってくることがあると思います。

私たちの何気ない行動や言動が、対象者のやる気スイッチを押せるか押せないかに関わっているということをわかっておくことが大切になります。

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失敗体験をさせないための課題設定と難易度設定の考え方

前途した、リハビリあるあるから学べることは、

・実生活に近い作業活動を治療に取り入れる場合には、その要素を含む課題が十分に行えるようになってからにする
・最初は簡単な課題から設定し、徐々に難易度を上げていく
・気になること一つ一つを注意するのであれば、課題のレベルを下げて、注意する事を少なくする
・助言と思っていることが、罰になっているかもしれないということを知っておく

と、4つのことを意識して行うことが必要になります。

その中でも、難しい課題を設定すると、どうしてもできないことには代償動作が生じてしまいます。

すると、代償動作一つひとつに注意をしてしまうことになります。

我々療法士の癖として、対象者の悪いところを見つけるのが得意という特徴がありますから、逆に良いところを褒めれるような課題設定をするような考え方も必要でしょう。

罰刺激を与えても運動学習は進みません、罰は減らすように意識します。

アドバイスはある程度の信頼関係(セラピストが言ったことを聞けばもっとよくなると思うくらい)になっていれば、どんどんと伝えても良いと思います。

対象者ができることを課題として設定し、成功体験を積ませることが、特に初期の治療関係では大切になります。

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転職サイト利用のメリット

何らかの理由で転職をお考えの方に、管理人の経験を元に転職サイトの利用のメリットを説明します。

転職活動をする上で、大変なこととして、、、

仕事をしながら転職活動(求人情報)を探すのは手間がかかる

この一点に集約されるのではないでしょうか?(他にもあるかもしれませんが)

管理人は転職サイトを利用して現在の職場に転職しました。

コーディネーターの方とは主に電話やLINEを通してのコミュニケーションを中心として自分の求める条件に合う求人情報を探してもらいました。

日々臨床業務をこなしながら、パソコンやスマホで求人情報を探すというのは手間ですし、疲れます。

そういう意味では、転職サイト利用のメリットは大きいと考えています。

転職サイト利用のデメリット

デメリットとしては、転職サイトを通して転職すると、転職先の病院や施設は紹介料(転職者の年収の20-30%)を支払うことです。

これがなぜデメリットかというと、転職時の給与交渉において、給与を上げにくいということに繋がります。

それでも、病院や施設側が欲しいと思える人材である場合、給与交渉は行いやすくなるはずです。

そういった意味でも、紹介してもらった病院や施設のリハビリ科がどのような現状で、どのような人材が欲しいのかといった情報が、自分の持つ強みを活かせるかといった視点で転職活動を進めていくことが大切になります。

転職サイトは複数登録することも必要

転職サイトは複数登録しておくことが重要になるかもしれません。

それは、転職サイトによって求人情報の数に違いが生じることがあるからです。

せっかく転職サイトを利用するのであれば、できるだけ数多くの求人情報の中から自分の条件にあった求人情報を探せる方が良いはずです。

その分複数のコーディネーターの方と話をする必要がありますが、自分のこれからのキャリアや人生を形作っていく上では必要なことになります。

また、コーディネーターの方も人間ですから、それぞれ特性があります。

自分に合う合わないと言うこともありますから、そういった意味でも複数サイトの登録は大切かもしれません。

とにかく行動(登録)!管理人も登録経験あり!転職サイトのご紹介!

ネット検索にある転職サイトの求人情報は表面上の情報です。

最新のものもあれば古い情報もあり、非公開情報もあります。

各病院や施設は、全ての求人情報サイトに登録する訳ではないので、複数登録する事で より多くの求人情報に触れる事ができます。

管理人の経験上ですが、まずは興味本位で登録するのもありかなと思います。

行動力が足りない方も、話を聞いているうちに動く勇気と行動力が湧いてくることもあります。

転職理由は人それぞれですが、満足できる転職になるように願っています。

管理人の転職経験については以下の記事を参照してください。

「作業療法士になるには」「なった後のキャリア形成」、「働きがい、給与、転職、仕事の本音」まるわかり辞典

転職サイト一覧(求人情報(非公開情報を含む)を見るには各転職サイトに移動し、無料登録する必要があります)

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