腰痛の一番の原因となるのは悪い姿勢を習慣的にとることです。腰の背骨(腰椎)は生理的に前方向に彎曲(カーブ)しているのですが、悪い姿勢や猫背姿勢で長時間過ごしていると腰椎の前彎がなくなってしまいます。今回はこの腰椎前彎に焦点を当て、腰痛予防も兼ねた姿勢矯正のエクササイズを紹介していきます。
目次
腰痛持っている方で一番の原因となっているものは腰に負担のかかる姿勢を日常的にとっていることにあります。猫背などの悪い姿勢は腰の背骨(腰椎)の生理的前彎をなくし、椎間板等に過度な負担がかかることが腰痛の原因となります。
腰椎前彎がない悪い姿勢を習慣的にとり続けていれば、それだけ腰への負担が大きくなり、慢性腰痛へと移行してしまう可能性は高くなります。
悪い姿勢によって起こる腰痛は、初めは姿勢を正しくすることですぐに軽減されますが、それが長期間にわたる場合、腰周辺の関節や組織の損傷、弾力性の低下を招きます。
高齢者で腰の曲がった方は背骨が変形していることが多いのですが、これは腰椎前彎がない悪い姿勢をとり続けたことの結果です。背中や腰が曲がったままの姿勢で過ごしていると、肺や内臓の組織を圧迫し、臓器の機能も低下してしまいます。
背中や腰の曲がりを防ぐには、1日に1回でも良いので腰椎前彎姿勢をとることが大切になってきます。具体的には背筋を伸ばした姿勢で立ち、目一杯腰を後ろに反らせる運動を取り入れると良いでしょう。
一定の状態で座った姿勢のまま過ごしていると、腰周囲の筋肉は疲労し緩みがでてきます。すると背もたれのある椅子であれば、体が椅子に沈むようになり猫背姿勢のまま椅子に体を預けるような姿勢をとります。このような姿勢のままで長時間過ごしていると、腰から背中の靭帯は引き伸ばされ、痛みを引き起こすようになってきます。これが習慣化されると椎間板などのゆがみにつながり、座っていなくても痛みを感じるようになってしまうのです。
悪い姿勢を習慣的にとっていると、最初のうちは腰に違和感を覚える程度だと思います。これは腰周辺の軟部組織が引き伸ばされることに起因しています。この場合、姿勢を正しくすれば元の状態に戻ることができるため、違和感はすぐにおさまります。
次の段階では立ち上がる時に痛みが強く出て、腰を伸ばすまでの間慎重に歩く必要があるような状態になります。腰が伸びきった後も痛みが続くことはありますが、これは腰の関節がゆがんでおり、その状態を元に戻すのに時間がかかってしまうからです。さらに状態が悪くなると、立ち上がる時に激しい痛みが出現し、まっすぐ腰を伸ばして立つことが困難になります。この状態ではゆがんだ椎間板が腰周辺の組織を引き延ばし、また膨張した椎間板が神経に触れ足の痛みやしびれなどの症状を引き起こします。
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正しい姿勢で座るには、腰の骨の前方向へのカーブ(腰椎前彎)を習慣的な姿勢として身につける必要があります。そのための方法として、「猫背」「過矯正」を覚えていきます。
主な方法は猫背から過度の腰椎前彎を繰り返しリズムよく行います。10回を1セットとして1日3セットほど行うと良いでしょう。また悪い姿勢が原因で腰が痛くなった場合にも行うことで腰痛軽減の効果が期待できます。
①椅子に座り、背中の力を完全に抜き猫背の姿勢になります。
②①の姿勢を数秒間とったら、その後腰椎前彎を過度に強調するように腰から背中にかけて伸ばしていきます。
③②の姿勢を数秒間とったら、再び完全に力を抜き猫背姿勢に戻ります。
過矯正の姿勢は長時間続けるには負担が大きいので、その姿勢から1割程度力を抜いた状態を保つようにします。これが適度な腰椎前彎を伴う良い姿勢になります。
椅子に座る際には常にこの姿勢をとることが腰痛予防には大切なことになります。
椅子には背もたれのついたものが多くありますが、それらは腰椎前彎を維持するのに十分なものではありません。
私自身車を運転する事が多いのですが、長時間運転しているとどうしても背中が丸くなりがちで、腰に違和感を感じることが多いです。
そのような場合1時間に一度は車から降りて立った姿勢で腰をそらすような動きをとることで椎間板への負担を軽減する必要があります。
予防的には正しい姿勢を保つための姿勢保持クッションが数多く販売されているので、そのようなものを使うことでできるだけ腰椎前彎姿勢を保つことも一つの方法だと思います。
私も車の運転をする際には姿勢保持クッションを使用しています。
「腰用クッション CuCu(キュッキュッ)」と呼ばれるもので、神戸学院大学総合リハビリテーション学部の吉田恒輔教授が監修して商品化されたものです。
ビーズクッション独特の心地よさと、姿勢保持の安定感が得られ、長時間の運転においても腰への負担はかなり軽くなっています。
このようなサポートグッズを使用することで、姿勢の悪くなりやすい場面でもできるかぎり腰椎の前彎を保持できるようにすることが大切になります。
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