慢性疼痛に関連する中枢性感作の評価として、CSI短縮版の概要と評価方法、結果の解釈、アプローチについてまとめています。
慢性疼痛に関連する中枢性感作の評価-CSI短縮版の概要と評価方法、結果の解釈、アプローチ-
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中枢性感作(Central sensitization:CS)
- 中枢神経系における痛覚過敏を誘発する神経信号の拡大
⇨入力された感覚が、末梢から伝導路を通る過程で刺激が増幅される
- 痛みと感じない刺激でも短い間隔で反復して刺激すると痛み刺激に変化する現象がある
⇨Wind up現象 ※健常者でも生じる
- 刺激に対する反応性の増大だけでなく、下降性疼痛抑制系の機能低下を引き起こす
- 痛覚過敏やアロディニア、うつ症状や睡眠障害などと関連する
- 腰痛患者や変形性関節症においても影響が報告されている
- 痛み以外にも様々な刺激に過敏性を示すことがある
- 不定愁訴として捉えられる危険性がある
Central Sensitization Inventory (CSI)短縮版の概要
- 中枢性感作症候群(CSS)に共通する健康関連の症状を問うもの
- CSIを25項目から9項目にした短縮版
- 各項目に対し、5段階で評価をつける
0:全くない
1:まれにある
2:時々ある
3:頻繁にある
4:いつもある
- カットオフ値は 20 点(感度 92.3%,特異度93.3%)
Tanaka K, Nishigami T, Mibu A et al : Cutoff Value for Short Form of Central Sensitization Inventory. Pain Pract, 2019
Central Sensitization Inventory (CSI)短縮版の評価方法
1眠りから覚めた時に、疲れていてすっきりしない感じがする
2筋肉に硬さや痛みを感じる
3全身のあらゆるところに痛みを感じる
4頭痛がある
5よく眠れない
6集中することが難しい
7ストレスで身体症状が悪化する
8首と肩の筋肉が緊張している
9物事を思い出すことが難しい
Nishigami T, Tanaka K, Mibu A et al : Development and psychometric properties of short form of central sensitization inventory in participants with musculoskeletal pain : A crosssectional study. PLoS One 13 : e0200152, 2018
慢性疼痛の要因
- 情動的要因
- 身体イメージの変容
- 中枢性感作症候群
- 心理因子は間接的に疼痛強度に関与する
- 中枢性感作症候群が疼痛強度に直接的に影響することが示唆
⇨心理因子(不安、抑うつ、破局的思考)と疼痛強度の関係は中枢性感作症候群によって媒介される
Shigetoh H, Tanaka Y, Koga M et al : The Mediating Effect of Central Sensitization on the Relation between Pain Intensity and Psychological Factors : A Cross–Sectional Study with Mediation Analysis. Pain Res Manag 2019 : 3916135,2019
中枢性感作への対応
- 運動療法のみでは効果を得られにくい
- 患者教育により痛みへの考え方を変える
- 痛みへの認知の傾向
・様々な刺激を痛みと感じやすくなる
・必要な刺激をネガティブなものとして捉える
・運動への恐怖心や痛みに対するネガティブ思考になる
- アプローチ
・急性痛と慢性痛に関するメカニズムの説明
・目標の共有