今回は頭頸部、頭痛、顎の痛みに関連する筋肉のトリガーポイントの緩め方を紹介していきます。
目次
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前頭筋は鼻根・内眼角・眉間の皮膚からはじまり、帽状腱膜についています。
前頭筋おの作用は眉毛を上に挙げること、額に横じわを作ること、帽状腱膜を前方に引くことです。
帽状腱膜とは頭部の筋膜で、頭皮の硬さとも関係しており、この筋膜が硬くなると頭皮の血流も悪くなることが考えられます。
前頭筋に過緊張や硬さがあると、額付近に痛みを送ります。
①目をしっかり開きます。
②前頭筋に押圧を加え、頭頂部に向かい引き寄せ保持します。
③目を閉じます(顔をしかめる)。
側頭筋は側頭骨の側頭面全体に付着します。
側頭筋膜の内面からはじまり、下顎骨の下顎枝につきます。
側頭筋の作用は下顎を上に挙げ、下顎を後方に引きます。
咬筋と同様に咀嚼に関与しています。
歯ぎしりがある、口の片方で食べ物を噛む癖がある、歯を噛みしめる癖がある場合、側頭筋に過緊張や硬さの原因になることがあります。
側頭筋に過緊張や硬さが見られると、前頭部や側頭部の痛みの原因となります。
また上歯の痛みと知覚過敏、上歯茎の痛みにも関与しています。
食べ物を噛んだ時に上歯や顎に痛みがある場合は側頭筋に問題がある可能性が高いです。
場合によっては歯の噛み合わせが悪いように感じることもあります。
咬筋や胸鎖乳突筋は側頭筋との関連性が高く、どれかの筋が緊張していると他の筋にも影響することがあります。
①口を閉じます。
②側頭筋に押圧を加え、頭頂部へ引き寄せ保持します。
③口を開きます。
後頭筋は後頭骨の上項線、最上項線からはじまり、帽状腱膜につきます。
後頭筋の作用は帽状腱膜を後方に引き、また額の皮膚の動きを滑らかにします。
後頭筋は耳にも関与しており、また眉毛を上げたり眉をひそめたりする場合にも関与しています。
後頭筋に過緊張や硬さがあると、目に対して関連痛を引き起こします。
不安や心配事など精神的な緊張を抱えている場合に筋肉は過剰に働くことが考えられ、過緊張や硬さの原因になります。
前頭筋と後頭筋は、目を強く開いた時にともに収縮するため、視力障害がある場合に無意識にこれらの筋肉を過剰使用していることも多く、筋疲労から過緊張の原因になることもあります。
①目をしっかりと開きます。
②後頭筋に押圧を加え、頭頂部へ引き寄せ保持します。
③顎を引くと同時に目を閉じます(顔をしかめます)。
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眼輪筋は眼瞼部、眼下部、涙嚢部、眉毛下制筋から始まり、外側眼瞼靭帯、内側眼瞼靭帯、眉の皮膚についています。
眼の周りを覆っている筋肉で、まぶたを閉じたり涙嚢を開いて涙を排出するのを補助する働きがあります。
眼輪筋の機能が低下すると、まぶたのたるみ、目の下のクマ、またドライアイの症状にも関与すると言われています。
眼輪筋はまぶたを強く閉じることでその収縮を感じることができます。
眼輪筋に過緊張、硬さがあると、目の上の痛みの直接的な原因になります。
また場合によっては鼻周囲にも痛みを引き起こすことがあります。
また美容的な視点では、眼輪筋が衰えることで下まぶたの部分にたるみなどができ、血流低下から目の下のクマができることも考えられます。
ドライアイにおいてはまばたきをした際に上下のまぶたが完全に接触せず、涙が蒸発することで目が乾燥する症状を誘発してしまいます。
字を読む際の視点の定まりにくさにも関与し、眼輪痙攣や眼瞼下垂の原因にもなりえます。
眼輪痙攣とは
眼瞼を閉じる筋肉(眼輪筋)が過剰に緊張して開きにくい状態です。
まぶただけの異常の場合と、唇にも異常を伴う場合があります。
この病気とは別に、まぶたの一部が時々ぴくぴくと瞬間的にけいれんする状態(線維束収縮)がありますが、この場合、開瞼は正常にできます。
出典:gooヘルスケア
眼輪筋は視力低下などで目を細めて物を見ようとする習慣があると緊張しやすくなります。
また心配事や不安など精神的な緊張により顔面に余計な力が入っていることでも過緊張状態になりやすいです。
胸鎖乳突筋に過緊張や硬さがある場合、眼輪筋も過緊張になりやすく、上記のような症状が出現した場合、眼輪筋に加えて胸鎖乳突筋も処置するようにしてみてください。
①眼輪筋の緊張をなくすために、目を開きます。
②眼輪筋に押圧を加え、そのまま保持します。
③眼輪筋を収縮させるために目を閉じます。
*目周辺はデリケートな部分であるため、眼球には押圧を加えないようにしてください。
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顎二腹筋は前腹、後腹の2つに分かれています。
前腹は、下顎骨ニ腹筋窩、後腹は側頭骨乳突切根から始まり、前腹、後腹ともは中間腱につきます。
その主な働きは舌骨を引き上げ、下顎骨を下に下げます。
顎二腹筋に触れるためには、舌骨の位置を把握しておく必要があります。
舌骨の探し方、触れ方
①のどぼとけを親指と人差し指で触り、そこから上へ指を滑らせると馬蹄の形をした舌骨に触れることができます。
②それが舌骨か確認するために、唾を飲み込むと一瞬舌骨が上に上がり触れなくなるため、それが目印になります。
顎二腹筋前腹の探し方、触れ方
①顎二腹筋前腹は舌骨の上方に位置しています。その部分を指で触れ、顎を引き下げるように動かすとその収縮を確認できます。
顎二腹筋後腹の探し方、触れ方
①顎二腹筋後腹は胸鎖乳突筋の上端のすぐ前から舌骨にかけて位置しています。その部分を指で触れ、顎を引き下げるように動かすとその収縮を確認できます。
顎二腹筋に過緊張や硬さは、顎先の下の部分や顎の後ろの部分にあることが多く、胸鎖乳突筋や乳様突起(耳たぶのすぐ後ろの骨)に痛みを送ります。
また下の前歯付近にも痛みを送ることがあります。また開口時に痛みが悪化しやすくなります。
食べ物を飲み込む時の痛みの原因にもなります。
顎二腹筋は舌骨の動きに関与しており、舌骨は嚥下にも関わることから、この筋肉の機能低下は嚥下運動に影響を与えます。
顎二腹筋は時に顎関節症の原因にもなる筋肉です。
顎二腹筋が緊張する原因として、口呼吸を習慣的にしている方は過緊張状態や硬さが生じやすくなります。
アレルギーなどで鼻呼吸が困難な場合においてこの筋肉の収縮は過剰になりやすいです。
また顎二腹筋に限らず、首前面にある筋肉はむち打ち症で緊張してしまうことが多いです。
顎二腹筋前腹
①口を軽く閉じます。
②顎二腹筋前腹に押圧を加え、舌骨方向へ引き寄せ、保持します。
③上を向き(頚椎伸展)ます。
顎二腹筋後腹
①口を軽く閉じます。
②顎二腹筋後腹に押圧を加え、舌骨方向、乳様突起方向にそれぞれ引き寄せ保持します。
③首を左に倒し、さらに右に回します。
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咬筋は浅部は、頬骨弓の前部から中部より、深部は、頬骨弓の中部から後部、側頭骨よりはじまり、下顎枝、下顎角の外面につきます。
咬筋は顎関節のに関与している筋肉で、噛む力を生み出します。
咬筋の触診は歯を噛み合わせた際に耳たぶの前の咬筋の収縮を感じられます。
咬筋に過緊張や硬さがあると、痛みを送りますが、特に顎関節症に関連するのは耳のすぐ前の深い部分にある筋の硬さです。
これにより筋は緊張し、重症の場合には口を開くことも難しくなります。
顎関節の硬さは発声にも影響します。
また上下の歯にも関連痛を送り、冷刺激などに対する知覚過敏症状も出現します。
このような症状は歯磨き等のケアを滞らせることもあるため、口腔内の状態が悪くなりやすいです。
他にも顔面、目の上、眉上の痛みを引き起こすこともあります。鼻汁の原因にもなりえますので、なかなかなくならない鼻汁の症状がある場合には咬筋を処置することも一つの選択肢になります。
目のクマも咬筋が関与しており、耳の奥の痛みや耳鳴りを引き起こすこともあります。
咬筋が緊張する原因としては、ガムの噛みすぎ、虫歯、歯ぎしりなど様々なことが挙げられます。
歯の治療により顎関節周辺筋は緊張することもあり、また心配事や不安などの精神的緊張も咬筋の筋疲労を起こしやすくなります。
口で呼吸する習慣や猫背で頭部前方突出姿勢も緊張の原因になります。
頭部前方突出姿勢は顎関節の位置や舌骨の位置が偏移するする原因にもなり、その結果異常な嚥下パターンが習慣化されるおそれもあります。
顎のトラブルを防ぐために意識してできることがあります。
ガムを噛んだり、爪を噛むなどの癖をやめること、寝ている時の歯ぎしりを止める方法を探ること、歯をくいしばる癖を正すことなどがあります。
歯ぎしりについてはすぐに効果的な方法を見つけることhできないかもしれませんが、他のことであれば意識的に取り組むことができることが多いです。
咬筋のストレッチには強い痛みを伴うことが考えられます。
痛みをとるために必要な痛みになりますので、多少我慢しながらストレッチを行う必要があります。
①口を閉じ、歯を噛み合わせます。
②咬筋に押圧を加え、頭頂部の方向へ引き寄せ保持します。
③口を開けます。
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頚長筋は気管にそうように両側に位置しており、頚椎の前面にあります。
頚長筋は3つの部位に分かれ、起始は上斜部では、第3〜5頚椎の脊椎横突起の前結節、下斜部では第1〜3胸椎の椎体前部、垂直部では第5〜7頚椎、第1〜3胸椎の椎体前外側部となります。
停止は上斜部では、第1頚椎(環椎)の前結節、下斜部では第5〜6頚椎の椎体横突起の前結節、垂直部では、第2〜4頚椎の椎体前部となります。
頚長筋の作用は頚椎の屈曲、または側屈です。
頚長筋は深部にある筋肉で、直接触ることはできません。
しかし、その位置と走行から頚椎を刺激することにより間接的に影響を与えることは可能だと思われます。
気管(喉頭軟骨)と胸鎖乳突筋の間に指先を差し込み、頚椎を押すように刺激します。
このとき、指に拍動を感じたら(外側の内頚動脈)圧迫しないように注意します。
頚長筋にトリガーポイントがあると、頸部前面の痛みや咽頭痛を生じさせます。
話したり歌ったりするときの痛みにも関連しています。
頚長筋が緊張する原因としては、むちうち損傷が挙げられます。
むちうち損傷では頚長筋の筋緊張亢進、または筋力低下が見られることがあります。
確認方法としては、背臥位で「頭部を持ち上げて」と指示すると、顎を引かずに、顎を突き出すように動かそうとすることが確認できます。
このような場合には、頚長筋の処置をした後に、頚椎の側屈を伴う屈曲運動で頚長筋の筋力増強を行う必要があります。
①頚椎を軽度屈曲させ、頚長筋の起始と停止を近づけます。
②頚長筋に押圧を加え、頭側へ引き寄せ保持します。
③頚椎伸展と、押圧を加えている側とは反対方向へ頚椎を側屈します。
*指先に頚動脈の拍動を感じた場合には、少し指をずらしていきます。
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