骨盤にゆがみ、ずれがあると、体全体のバランスが崩れ、腰痛や膝痛、肩こりなど様々な弊害を起こします。骨盤は体の中心に位置しており、骨盤が正しい位置でゆがみ、ねじれのない左右均整がとれた状態が理想になります。今回、自分でできる骨盤のゆがみの診方、ストレッチによる骨盤矯正法について、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。
目次
骨盤は左右の寛骨(腸骨)と仙骨、尾骨から成ります。骨盤は安定性を求められるため、仙腸関節は周囲を靭帯で覆われており、ほとんど動かない半関節となります。
骨盤のずれを見るときの指標として、上前腸骨棘(ASIS)と上後腸骨棘(PSIS)があります。
様々な動作を行う中で、不良姿勢を長時間とっていたり、筋肉に負担をかけるような動作を繰り返していると、筋肉は緊張し、縮むようになっていきます(短縮傾向)。骨盤周囲の筋肉が高緊張で短縮傾向にあると、骨盤の腸骨がずれたりねじれたりと、いわゆる骨盤の歪みが生じてしまいます。
仙骨と腸骨の間には仙腸関節がありますが、仙腸関節周囲の筋肉や靭帯は骨盤の歪みを防止するために、過剰に力を働かせることになります。
このようになると筋肉はさらに緊張し、痛みの原因となります。これは、慢性的な筋の高緊張から筋肉内の血流が低下し、筋肉への酸素供給が低下します。すると老廃物や乳酸が筋肉内から排出されにくくなり、痛みを感じるようになります。
骨盤のずれ
骨盤のずれは、腸骨の上に手を置き、左右の手の高さを見ていきます。
上にずれている方の仙腸関節では、上後腸骨棘( PSIS)の後下方変位、腸骨稜の上方変位、上前腸骨棘(ASIS)の後上方変位が起きている可能性があります。
また、ずれている側では、股関節の上方変位のために患側下肢が短く見えます。
骨盤のねじれ
仰向けで寝て、足を伸ばしましリラックスします。骨盤にねじれがある場合、足が外向き(股関節外旋)に転がります。
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骨盤のずれに対するストレッチ
座位、立位、または仰向けでも行えます。左右両側のストレッチを実施します。
片手を頭上に上げ、骨盤、下肢は下方向、手は上方向を意識し、脇腹を伸ばすように30秒から1分程度ストレッチします。このとき、腹部の筋では遠心性収縮が起きており、これが骨盤のずれを矯正することになります。
骨盤のねじれに対するストレッチ
①仰向けで膝を立て、足をかけます。この時支えている足はやや外側に位置させます。
②足をかけた側に両膝を倒し、肩と膝が直線状に配置されるようにします。骨盤を下から手で支え、逆の手も用いて骨盤を引き起こし、上半身は床に倒すように相反する力を出し30秒から1分程度ストレッチします。
③骨盤に手をかけ骨盤を引き下げながら、逆の手は腹部に起き、上半身はそれに抵抗する力を発揮させながら、30秒から1分程度ストレッチします。
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