膝関節が安定して働きをするためには、筋肉の働きが重要になります。今回、膝関節疾患と筋肉について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 膝関節疾患と筋肉とリハビリテーションの視点

文献

 膝関節に関わる筋肉

膝関節に関わる筋肉は、13個あります。
膝前面
大腿直筋、内側広筋、外側広筋、中間広筋

膝内側面
縫工筋、薄筋

膝外側面
大腿筋膜張筋

膝後面
大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋、膝窩筋、足底筋、腓腹筋

これらは、膝関節の屈伸、内外への回旋運動に関わります。
また、体重の支持や膝関節の保護にも関わります。

膝周囲の筋肉を知ることは、自主トレーニングの際に、どこの筋肉を鍛えているのかを把握しやすく、またどこの筋肉に痛みが出ているかを知る目安にもなります。

 

膝関節に関わる筋の作用

 

屈曲

伸展

内旋

外旋

半腱様筋

 

 

半膜様筋

 

 

大腿二頭筋

 

 

 

大腿四頭筋

 

 

 

大腿筋膜張筋

 

縫工筋

 

 

薄筋

 

 

腓腹筋

 

 

 

膝窩筋

 

 

 

足底筋

 

 

 

◯:主動作筋 △:補助筋

【スポンサーリンク】

 

大腿四頭筋の働き

大腿四頭筋は膝関節を伸ばした際に働く筋肉です。
膝を伸ばした際に、外側から外側広筋、大腿直筋、内側広筋が収縮しています。
中間広筋は大腿直筋の下に位置しており、目で確認することはできません。

大腿四頭筋は膝蓋骨に付着しています。
膝蓋骨に対して外側広筋は外側、大腿直筋が中央、内側広筋が内側に付着します。
これらが均等に働くことにより、膝蓋骨の脱臼を防いでいます。
これらの筋力に差ができると、膝蓋骨の位置に影響が及び、痛みや可動域制限の原因にもなります。

大腿四頭筋は50歳代より徐々に筋力が落ちると言われています。
大腿四頭筋の筋力低下は、歩行での膝関節への衝撃を吸収できなくなるため、軟骨を傷めたり、変形性膝関節症に移行してしまう可能性があります。

大腿四頭筋の中の大腿直筋は、膝関節と股関節をまたぐ二関節筋です。
大腿直筋は骨盤付着することから、股関節の影響も受ける筋肉です。
大腿直筋は、膝関節伸展力を股関節の角度により調節することができます。
サッカーでボールを蹴る動作は、股関節を後ろに伸展しながら膝を伸ばしていく動作です。
大腿直筋の付着部である骨盤と膝蓋骨の距離を長くすることで、より大きな筋力を発揮することができます。
このことから、膝関節の筋力を発揮するには、股関節の柔軟性も大切な要素になることがわかります。
膝関節疾患では、大腿直筋に機能が生かせない姿勢が膝関節の痛みを生じさせていることも考えられます。

内側広筋の働き

内側広筋は、大腿四頭筋の内側から膝蓋骨の内側に付着する筋肉です。
内側広筋は外側広筋とともに膝蓋骨を真ん中に保ったり、膝関節の最大に伸ばした際に強い力を発揮するように機能します。

内側広筋は筋萎縮が起こりやすく、筋力低下につながります。
内側広筋の筋力低下では、膝関節固定力が低下し、膝関節が不安定になり痛みの原因にもなってしまうことがあります。
筋萎縮は、変形性膝関節症や膝関節の手術後に生じやすいことから、筋力トレーニングが重要になります。

内側広筋は大内転筋に付着していくため、トレーニングの際は股関節を内側に閉じながら膝を伸ばす運動を行います。

ハムストリングの働き

ハムストリングは、半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋の3つを合わせた呼び方です。
作用は膝関節を曲げる、歩行時の前への推進力の発生、振り出した足のブレーキをかけるなどがあります。

ハムストリングは、肉離れが起こりやすい筋肉でもあります。
ハムストリングと大腿四頭筋の筋力比が60%以上だと、肉離れのリスクが少ないと言われています。
このことから、トレーニングでは大腿前面筋だけではなく、大腿後面のハムストリングのトレーニングも合わせて行う必要があります。

膝窩筋の働き

膝窩筋は、大腿骨外側顆から脛骨後面に付着しています。
その作用は膝の屈曲と下腿の内旋です。

膝関節が伸びにくくなる原因として、ハムストリングや膝後方関節包の伸張性低下、膝窩筋の伸張性低下が挙げられます。
膝窩筋の伸びが悪くなると、膝を伸ばす際に下腿が外側へのねじれに制限が生じます。
膝窩筋の伸張性低下や慢性的な過緊張状態は、下腿が内側に捻られた状態で固定されてしまいます。
これにより、膝を伸ばす時の下腿の外旋が制限され、膝が伸びにくくなります。
膝関節伸展制限がある場合は、膝窩筋の伸張性低下や筋収縮の持続力の低下も考える比強があります。

太ももの筋肉の発達具合

太ももの筋肉の状態を知ることは、筋力トレーニングの成果を知ることにもつながります。
「大腿周径」と呼ばれるものを測ることで、膝周囲の筋肉の状態を大まかに把握することができます。
膝蓋骨の上の端から10cm(内側広筋)、15cm(大腿四頭筋)のところの周径を測ります。
筋力トレーニングにより筋細胞が大きくなると、大腿周径も大きくなります。
これにより、膝周囲の筋肉の状態を定期的に把握していくことも可能です。

【スポンサーリンク】