変形性膝関節症では、痛みや筋力低下などが起こり、日常生活動作に支障が出てしまいます。今回、変形性膝関節症、痛みの原因とメカニズムについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

変形性膝関節症と痛み!その原因とメカニズム 

文献

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症は、加齢に伴う関節軟骨の退行生変性により、軟骨がすり減ってしまう病態です。
軟骨変性は痛みを引き起こし、それが運動量の低下を招き、廃用性筋萎縮や関節変形が起こります。
そのため歩行や階段昇降、床での生活が困難になるなど日常生活に支障をきたすことになります。

中高年の20〜40%に発症し、45歳以上で急増、女性に多い特徴があります。

変形性膝関節症にはその原因から分類して2つに分けられます。
一次性
原因不明のもの。肥満や膝関節周囲の筋力不均衡などが考えられている。多くは下肢が内反変形する。

二次性
外傷などの原因がはっきりとしているもの。

 

変形性膝関節症とレントゲン

変形性膝関節症が進行すると、レントゲン上では関節の骨と骨の間が狭くなるのが見えるようになります。これを、関節裂隙の狭小化と呼びます。
軟骨がすり減るために、骨と骨の間が狭くなるのですが、レントゲンでは軟骨がすり減っていることは目には写りません。関節裂隙の狭小化を見て軟骨がすり減っていると捉えています。

荷重が同じ箇所に集中するため、軟骨下骨が厚く固くなる(硬化)、関節への負担を減らそうと棘が出る(骨棘)ことが確認できます。

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軟骨がすり減る過程

関節軟骨は、怪我で傷ついたり、加齢によりクッションの役割が失われると、亀裂が入って部分的にすり減っていきます。

Kellgren-Lawrence分類では、
グレード0:正常
グレード1:関節裂隙狭小化の疑い。軽度の骨棘形成
グレード2:骨棘形成と軽度の関節裂隙狭小化
グレード3:中等度。複数の骨棘形成。関節裂隙狭小化。軟骨下骨硬化
グレード4:大きな骨棘形成。高度の関節裂隙狭小化。高度の軟骨下骨硬化。
となっており、グレード2以上になると変形性膝関節症と診断されます。
グレードが高いほど、関節裂隙の狭小化が重度になります。

片方の足に痛みが出ると、それをかばおうとしてもう一方の足への負担が大きくなります。
それにより健康な側の膝関節の軟骨もすり減り、変形性膝関節症に進行してしまいます。
すり減った軟骨は再生はしません。(繊維軟骨としての修復はあります)。

変形性膝関節の症状の進行と痛みの原因

以下のような順に進行していきます。
・椅子から立ち上がるときに痛いが、歩き始めるとそれほど痛くない
・正座ができなくなる
・膝がまっすぐ伸びなくなる
・O脚になる
・膝が痛くて歩くのが嫌になる
・夜間痛が痛くて目覚める

動き始めに痛みが出るのは、錆び付いた歯車に例えられることがよくあります。
錆び付いた歯車は最初スムーズに動きにくいですが、関節軟骨も一緒で、傷ついた軟骨面も最初はスムーズに動きません。
これが動き始めに痛みを感じる要因になります。

正常の膝であれば、内外均等に体重がかかりますが、O脚だと体重が膝関節の内側に集中してかかります。
日本人の9割は内側変形だとされています。
軟骨の下の骨が露出すると、骨と骨が接する状態になります(bone-on-bone)。
骨には神経があり、痛みの原因になります。

関節軟膏は痛みを感じません。
軟骨には血流がなく、神経細胞が存在しないため、痛みは感じることはありません。
軟骨がすり減ると、その際に出る削りかすに滑膜が反応し、炎症が起きるために痛みが生じます。
炎症が繰り返されると、関節包が繊維化し、疼痛の閾値が低下することで、痛みを感じやすくなることも知られています。
痛みをとるには炎症を軽減させ、正しい体の使い方や体重の掛け方を学習する必要があります。

滑膜の痛みと関節液

膝に水がたまる原因は、関節の滑りを良くする(潤滑油の役割)関節液が過剰に生産されているためです。
関節液が過剰生産されるのは、滑膜が炎症を起こしているためです。
滑膜は関節液を作りますが、なんらかの刺激により炎症が起きると、その量を増加させます。
関節液がたまりすぎると、痛みを引き起こす原因になります。
「膝にたまっている水を抜くとくせになるか」という疑問に関しては、「ならない」というのが答えになります。
ただし、膝に炎症が残っていると関節液が産生され続けるため、炎症を鎮める治療が必要になります。
水を抜いても、痛みの原因は解決しないということを覚えておくことが大切です。

変形性膝関節症と保存療法

変形性膝関節症の保存療法には、以下のものがあります。
一般的注意事項:体重減少
保存的治療:外用薬、鎮痛薬、ヒアルロン酸製剤の関節注入、ステロイド剤の関節注入

関節内注射

ヒアルロン酸
軟骨成分の一部で、滑膜の炎症を抑える作用があります。
特効作用はなく、進行しすぎた関節症に効果はありません(bone-on-boneの状態)。

ステロイド製剤
鎮痛効果に優れますが、感染や関節症が進行するなどの可能性があります。

変形性膝関節症とサプリメント

グルコサミンやヒアルロン酸は、もともと軟骨を形成する成分の一部です。
サプリメントで摂取することは可能ですが、変形性膝関節症の痛みに効果はあるのかという疑問があります。
サプリメントでの摂取は、経口摂取すると、腸で吸収される際にアミノ酸や糖質に分解されることが知られています。
軟骨には血管がなく、ヒアルロン酸が到達しないとされています。
しかしながら、研究では症状に対する効果があるかもしれないとされています(プラセボ効果)。
疾患を根本的に治す治癒能力はありませんが、精神的に好影響を与える可能性は考えられます。

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