2つの反応パターンを交互に切り替えることが決まっており、両方の遂行過程の情報を保持しながら適切に遂行することを求める検査。

高次脳機能障害学 第2版 P224

となっています。
脳損傷者では健常者と比較して有意に成績の低下がみられ、特に前頭葉と成績低下に関連があるという報告があります。

Trail Aの特徴

Trail Aでは、1から25までの数字が散らばっている用紙で、その順番に結んでいく検査です。
視覚・運動性探索の速度を評価することが可能です。

Trail Bの特徴

Trail Bでは、1から13までの数字と、あ〜しまでの仮名12文字が散らばっている用紙で、1ーあー2ーい−3ーうというように、交互に結んでいく検査です。
認知の変換、課題の切り替え、注意の切り替えを評価することが可能です。
2つの反応パターンの交互切り替えと、2つの系列の順番がどこまで進んでいるかを保持しておくことが、課題の処理速度には必要になります。

年代別のTMTの平均成績

健常若年者における年齢別成績

Part A(秒) Part B(秒) B/A比
15-19歳群(n=35) 中央値:30.5平均値(標準偏差):28.7(10.3) 中央値:50.4平均値(標準偏差):56.2(19.4) 中央値:1.98平均値(標準偏差):2.05(0.61)
20-24歳群(n=49) 中央値:23.8平均値(標準偏差):24.2(7.0) 中央値:46.5平均値(標準偏差):47.6(15.1) 中央値:1.84平均値(標準偏差):2.03(0.65)
25-30歳群(n=40) 中央値:22.8平均値(標準偏差):24.2(6.8) 中央値:45.1平均値(標準偏差):47.3(15.1) 中央値:1.92平均値(標準偏差):2.04(0.62)
合計(N=124) 中央値:23.8平均値(標準偏差):25.5(8.2) 中央値:49.1平均値(標準偏差):49.9(16.1) 中央値:1.86平均値(標準偏差):2.04(0.62)

健常中高年者における成績

年齢 Part A(秒)平均±標準偏差 Part B(秒平均±標準偏差
45-54(n=26) 32.0±8.4 76.0±27.9
55-64(n=32) 32.1±6.6 83.3±25.5
65-74(n=18) 47.8±14.3 112.7±31.7

出典:高次脳機能障害者の自動車運転再開とリハビリテーション2より

なお、TMT-Bの結果からTMT-Aの結果を減したもの(TMT-B-TMTA)は、選択的な要素や身体機能を取り除いた分配性注意を抽出した評価として用いられています。

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