注意障害があると、日常生活の遂行に支障をきたします。今回、注意障害に対するリハビリや介助の際の視点について、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
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注意は、課題遂行のためには必要不可欠な要素です。
課題参加能力が低下していると、動機付けや無視の問題として捉えられてしまうこともあります。
そのため適切な注意障害の評価を行う必要があります。
注意障害のある対象者の支援方法の一つとして、支援者が指示を出す方法を変えることが挙げられます。
意図された行動と注意を結びつけることも目標にこの方法が行われます。
「前に移動して」と言う代わりに、「お尻を椅子の端から前に移動して」と指示するかもしれません。
この言い回しの変化により、対象者が各工程の段階に参加できるようにする必要があります。
また、休憩が対象者の焦点を移動させ、情報処理のための時間をとるためにも重要となります。
注意障害に対する訓練では、一連の課題に徐々に多くなる注意の要求を組み込むことで、記憶と課題に対する注意の改善が生じたとする研究があります。
家族や介助者は、対象者が注意散漫になったり、課題に集中して取り組めないことを知ってショックを受ける場合もあります。
支援者は脳卒中による症状のためにこのような状態になっていることを伝える必要があります。
注意には、警戒性、選択性、持続性、交替性の4領域がありますが、各領域は個別に訓練し、他の領域への汎化は訓練後にきたいすべきではないとされています。
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選択性注意は、関係のない刺激を排除し、関係ある刺激に焦点を当てる能力です。
ある環境的な手がかりに反応し、気を散らすものに反応しないで課題を遂行することは、選択性注意を改善させる可能性があります。
例えば、対象者に衛生と整容課題の音声録音された指示に従うことが挙げられます。
複雑な課題であれば、食事の準備などです。
うまく課題遂行ができるのであれば、ラジオやテレビなどの注意を逸らす要素を追加していきます。
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持続性注意は、ある期間に注意を持続する能力です。
活動への注意の要求を増やしていき、注意を向ける、または注意を維持させるために活動時間の長い課題や付加刺激が加わる課題を行うことで改善を狙います。
例えば、鏡のない静かな部屋で髪を櫛でとく課題はすぐ遂行できるかもしれません。
次に、細部まで注意が必要で、より注意がそれやすい課題(後ろでラジオをかけながらカミソリで髭をそるなど)を用います。
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転換性注意は、1つの刺激から他の刺激へ注意を移すことです。
訓練では、はじめはひとつの刺激から他の刺激へ注意を移す課題を行います。
例えば、絵を描く作業(絵の具と陶器の花瓶に注意を変える)から始めるかもしれません。
複雑な課題では、テレビニュースを見ながら服を着替え、課題終了後に重要な日々の出来事を繰り返すようなことが挙げられます。
うまく行えれば、より多くの注意の要素を組み込んだ課題を行います。
用具を探す、時間調整、場所の設定、食事の準備などです。
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・過剰に刺激する、もしくは注意散漫となる環境を避ける
・課題中、視覚的に注意をそらすものから顔をそむける
・人がいない時間帯に行動する
・戸棚や引き出しにラベルを貼る
・散らかった状態や視覚的に注意をそらすものを減らす
・自己教示法を用いる
・自分でペースを調整できる方法を教える
・情報の入力量を調整する
・2つ以上の課題を遂行している時に注意することを確認し、共有する
・感覚や視覚刺激を減らすための環境管理(ラジオやテレビの電源を切る、戸やカーテンを閉める、床・戸棚・冷蔵庫などは整理整頓されている)
・活動のための日々のチェック表を使用する
前頭葉障害に対するリハビリテーション
⇨遂行機能障害リハ(GMT、自己教示法、問題解決訓練、TPM)
高次脳機能障害でアウェアネスどう評価し、どう高めるか
⇨効果を高める!高次脳機能障害のリハビリテーション-アウェアネス(病識・認識メタ認知)をどう評価し、どう高めるか-
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