発達障害における問題行動ひとつに、偏食と丸のみがあります。今回、偏食と丸のみの解決に向けた考え方について、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
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問題行動は通常、子供の家庭や学校への適応を著しく困難にしているものをさします。
問題行動が、大人の都合の悪いものとして捉えられている場合もあり、詳しく状況を把握する必要があります。
成人においても、強いストレスがかかると、注意散漫や攻撃的になることがあります。
そのため、子供の場合でも、精神的な側面が反映されていることも理解しておく必要があります。
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基本的には問題の原因を探っていきます。
しかし、原因と行動が直接的に結びつかないことも多くあります。
通常〈しなくてもいいことをする〉のは、好きでやっているというより〈しなければいけないことができないので〉、している場合が多い。
したがって適切な動作が獲得されていくと、〈しなくてもいいことをする〉暇がなくなり、問題行動も減少することが考えられる。発達障害の作業療法[実践編]
対処方法には、
①問題行動が出現する原因や機序に直接アプローチする
②適応的行動を増やし、間接的に問題行動を減少させる
ことが考えられます。
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誰でも味の好みはありますが、数品目しか食べることができない状況だと、栄養に偏りが出てきてしまいます。
発達障害児では、嗜好の特徴が維持され、加齢とともに受け入れられる食品が狭められる傾向にあります。
発達障害児全般に偏食はみられますが、自閉症児では40〜50%と出現率が高くなります。
食欲は食べ物の見た目の美しさ、色合い、雰囲気などにも影響されるが、そういう社会的な価値を理解しない子どもでは、食べ物は匂い、味、舌触り(触覚)など原始的な感覚に依存する割合が高くなる。
発達障害の作業療法[実践編]
味覚は甘みのようなもともと好まれる味があり、発達過程で幅が出てくるようになっています。
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味の好みの多様化を促進するのは、視覚や聴覚などの感覚処理体験となります。
食べ物の見た目や雰囲気などを感じ取れるようになると、味の好みの幅が出てきます。
このような感覚処理を促進させることも、偏食改善には必要とされています。
自閉症児のように、こだわりと結びついた偏食では、はじめに味や舌触りの問題から偏食が起き、後で口の中の感覚過敏が改善したとしても、偏食が維持されることはよくあります。
指導では、根気よく矯正していく必要があります。
子どもとの信頼関係が大切で、決して嫌いな食べ物を食べさせるということではなく、「この先生が言うことだから、嫌いだけど食べてみよう」という気持ちを子どもの中に芽生えさせることが重要です。
このような気持ちのなかで食べていると、徐々に嫌いがなくなっていくことがあります。
偏食の矯正に失敗するのは、ほとんどが子どもの抵抗に対して大人が指導を止めてしまうためです。
叱るのではなく、毅然とした態度で、「あなたが食べることを望んでいる」ことを言葉だけではなく、体のやりとりを通して伝えていきます。
空腹を利用しながら食べ物を口に入れ、吐き出さないことを練習していきます。
こどもの自主性を尊重しながら、訴えを聞きながら根気よく指導する姿勢が必要です。
特定の食品を食べさせることが目的ではないので、調理法をや形態を変えたりしてもあまり意味がありません。
こだわりによる偏食では、いったん食べるようになると、今までのことがなかったかのように食べれるようになります。
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食べ物を噛まない、丸のみにすることは口の中のことなので、コントロールするのが難しい課題です。
丸呑みとは、咀嚼が欠如した状態で、食べ物を取り入れと嚥下が反射的に連続してしまう状態である。つまり口の中に入れたとたんに飲み込んでしまうのは、航空の各器官の動きが選択的になっていない証拠である。
発達障害の作業療法[実践編]
このような子どもたちは、排便時に一緒に排尿する、床に落ちている物を見るとすぐに口に運ぶなどが多く観察されます。
ひとつの動作が次に続く動作を反射的に誘発し、各動作のコントロールができない状態です。
日常生活場面での様々な活動にいて、子どもが同時に行っている動作を発見し、それを別々に行うように働きかけていきます。
物を見て手を出さない、物をよく見てそれを模倣させるなどです。
このような動作の分離がコントロールされてくると、口腔内においても分離が促進し、それが間接的に丸呑みを抑制するように働いてくれます。
丸呑みの感覚は独特で、この感覚を楽しみだすと矯正が難しくなります。
そのため小さめのスプーンや箸を使用させ、口腔内に入れる一口量をコントロールさせ、喉越しの変化を感じれるようにします。
一口量をコントロールすると、かきこみ食いをする可能性がありますが、これは応用行動分析的アプローチでコントロールを行います。