認知症におけるBPSDの評価尺度として、BPSD+Q/BPSD25Qがあります。今回、BPSD+Q/BPSD25Qの概要と評価方法、結果の解釈についてまとめていきたいと思います。
目次
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BPSD+Qは主治医意見書「周辺症状項目」を中心に構成されたBPSD評価票です。
各評価項目に対して、質問紙形式で評価をしていきます。
BPSD+Qはせん妄2項目が含まれていますが、その2項目を外せば、BPSD25Qとなり、BPSDのみを評価するバッテリーとなります。
BPSDの重症度と負担度を0~6点の6段階で評価し、所要時間はおよそ6分間となっています。
BPSD+Q/BPSD25Qは信頼性・妥当性が確認されています(内藤典子,藤生大我,滝口優子,他:BPSDの新規評価尺度:認知症困りごと質問票BPSD+Qの開発と信頼性・妥当性の検討.認知症ケア研究誌2:133-145,2018.)。
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過去1週間の状態を評価していきます。
評価には、下記の重症度と負担度の尺度を用います。
重症度
1見守りの範囲()
2対応したケアが可能で()毎日ではない
3対応したケアが可能だが毎日ある
4対応に多大な困難が伴うが()毎日ではない
5対応に多大な困難が伴い毎日継続する
*()内は具体例を記入
負担度
0なし(全くなし)
1わずかな負担(少しストレスを感じるがやりすごせる、処理する必要がない)
2軽度の負担(対処が必要であるが簡単に処理できる)
3中度の負担(知恵を絞った対応が必要)
4大きな負担(対応・処理が上手くいかない、困難を感じる)
5極度の負担(自分では限界を感じ、処理するのに他者の助けが必要)
評価項目
過活動スコア:
1実際にないものが見えたり、聞こえたりする
2盗られたという、嫉妬する、別人という(選択して〇:盗害、嫉妬、誤認、他)
3他者を傷つけるような乱暴な言葉を発する
4他者に乱暴な行いをする
5うろうろする、不安そうに動き回る
6家/ 施設から出たがる
7他者への性的に不適切な行為
8こだわって同じ行為を何度も繰り返す
9我慢ができない、衝動的に行動する
10怒りっぽい
11忘れて同じことを何度も尋ねる
12ものをためこむ
13大声・鳴声が続く、さけぶ
低活動スコア:
14悲観的で気分が落ち込んでいる
15やる気がない、自分からは動かない
16声かけに反応がない、興味を示さない
17心配ばかりする
18日中うとうとする
19部屋・家から出たがらない
生活関連スコア:
20夜間寝ないで活動する
21異食や過食、拒絶
22介護されることを拒否する(選択して○:更衣、整容、入浴、食事、他)
23尿や便で汚す、何日も入浴しない(選択して○:風呂、異所排尿、弄便、他)
24タバコ、ガスコンロ等の火元不適切管理
25隠す、別な場所に置く、探し回る
せん妄:
26幻覚妄想を伴い興奮状態が急激に出没
27ボーッとして覚醒レベル低下が出没
参考・引用:https://www.dcnet.gr.jp/pdf/journal/BPSD%EF%BC%8BQ_190122.pdf
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得点が高いほどBPSDの重症度と負担度が高いことを示しています。
合計点の他に過活動スコア、低活動スコア、生活関連スコアと3つのサブカテゴリーに分けて採点ができます。
また、せん妄についての2項目もあり、せん妄の可能性も評価できます。
リハビリテーション介入前に評価を行い、リハビリテーション介入後の変化を捉えるために用いることも考えられます。
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