失行症のアプローチの一つに、方略訓練があります。今回、方略訓練の概要と実施のポイントについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
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方略訓練は、失行に対する代償のための方略を対象者が習得し、遂行する活動の機能障害を改善させるものです。
方略訓練では、以下のことに関連したエラーに焦点を当てます。
①開始:行動の計画の発展や必要で適切な対象物の選択
②遂行:計画の遂行
③統制:適切な結果を保証するための活動の統制や訂正
対象者の機能レベルにより、セラピストは指示、介助、フィードバックを用います。
方略訓練によるアプローチが、訓練していない課題への訓練の転移を生じるかについての研究では(Geusgens 2006)、訓練していない課題において有意に改善を示したとされています。
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・言語指示から始める
・手近な課題に対して関連する環境へ移行する
・注意の喚起
触る、対象者の名前を使う、指示に対する質問をする
・ジェスチャーの使用、対象物の指差し(ポインティング)
・課題をやってみる(部分的、もしくは全体)
・活動の写真を見せる
・指示を書き出す
・対象物を対象者の近くに置き、それを適切な順序に並べる
・一度にひとつずつ対象物を手渡す
・一回または一回以上、対象者と一緒に活動を始める
・対象者にとって容易に行えるような課題調整
・最終的に、期待される結果が得られない場合、代わりに行う
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・言語的介助
リズムをとり、遂行を阻害しないようにする
活動の段階を言語化するよう促す
活動の段階や対象物に名前をつける
手近な課題へ注意を向ける
・ジェスチャーや模倣を使用する、発話の抑揚を変化させる
・活動の段階の順序の写真を見せる
・身体的介助
四肢の誘導
四肢のポジショニング
補助具や補助装置の利用
対象者が遂行を始めるまで、代わりに行う
動きを誘発する
・最終的には、課題を代わりに行う
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・結果の知識に対して、言語的フィードバックを用いる
・結果の評価のために、対象者が感覚を意識的に使用する(見る、聞く、感じる、匂う、味をみるなど)ように伝えるための言語的フィードバック
・結果の知識に対して身体的フィードバックを用いる
対象者の姿勢の評価
四肢の位置の評価
四肢を支える
・指差しや対象者に対象物を渡すことによる身体的フィードバック
・遂行の知識に対して、言語的フィードバックを用いる
・鏡の前に対象者を座らせる
・対象者の遂行の様子をビデオ録画し、それを見せる
・課題の統制を代わりに行い、エラーの可能性を修正する
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