注意障害に対するリハビリテーションアプローチとして、ATP(Attention Process Training)があります。今回、ATPを参考にしたプリント課題を紹介していきます。
目次
APTは、障害のある注意機能のサブコンポーネントに対して、 訓練を特異的に繰り返し行い、その機能改善を図 ろうとするものです。
サブコンポーネントには4つに分類されています。
①sustained attention
持続してあるいは繰り返して行われる活動の間、 一定の反応行動を持続させる能力。
注意の維持機能を指します。
②selectiveattention
妨害的、拮抗的刺激を抑制し、標的目標に注意を集中して、行動や認知プロセスを維持させる能力。
選択的注意機能を指します。
③alternating attention
異なった認知課題を交互に行う際、刺激あるいは情報処理プロセスへの注意をシフトさせる能力。
注意の転換機能を指します。
④dividedattention
同時に2つ以上の課題に注意を向ける能力。
注意の配分機能を指します。
APTは、注意機能に特異的な効果を生じるトレーニングであり、様々な認知活動が、注意障害によって影響を受けていると考えられる場合に使用できるものです。
そのため、注意障害の評価が重要になります。
注意障害の評価については以下の記事も参考になります。
注意障害の評価と解釈、リハビリテーションの進め方
なお、注意障害に対する認知リハビリテーションは特定の注意を改善させる可能性はありますが、効果の持続や日常生活への般化に関しては十分なエビデンスがないのが現状となっています。
前頭葉障害に対するリハビリテーション
⇨遂行機能障害リハ(GMT、自己教示法、問題解決訓練、TPM)
高次脳機能障害でアウェアネスどう評価し、どう高めるか
⇨効果を高める!高次脳機能障害のリハビリテーション-アウェアネス(病識・認識メタ認知)をどう評価し、どう高めるか-
数字抹消テスト
紙面に書かれた乱数表から決められた数字のみを抹消していく課題です。
上記のものは、「RehaPockke(リハポッケ)」というホームページでダウンロードできるものです。
シートカバー(妨害刺激)をつけての数字or記号抹消テスト
上記の数字または記号抹消課題の用紙に、視覚的ノイズとしてのシートカバー (透明なシートに斜線や格子模様を書き入れたもの) を上に乗せた課題は、選択的注意機能訓練となります。
視覚的ノイズに乱されないように、選択的に本来の刺激に注意を向けるという点が、選択的注意を強化するトレーニングになっています。
目標が変化する数字or記号抹消テスト
上記の数字または記号抹消課題において、課題施行途中に標的刺激としての数字や図形を変えると、転換的注意機能訓練となります。
奇数、偶数の抹消テスト
数字抹消課題において、奇数、偶数を交互にチェックしていくことでも転換的注意訓練になります。
高中低テスト
「上」「中」「下」という3つの語が位置的にも高い、中間、低い位置に配列されている課題シートを用います。
①文字をそのまま音読する課題
②文字に関係なく書かれている語の位置が、高、中、低のいずれであるかを述べる課題
*①と②を15秒毎に交互に行う。
漢字、平仮名テスト
漢字で書かれた「漢字」「平仮名」と平仮名で書かれた「かんじ」「ひらがな」2通りで記されている課題シートを用います。
①書かれている文字をそのまま読む
②文字を読むのではなく、漢字体で書かれているか、平仮名体で書かれているかを答える
ストループ課題
文字と色という2つの属性が競合しているような刺激を提示したときに、書かれた文字と不一致のインクの色を口頭で答える課題。
ストループ課題(the Stroop task)・ストループテスト | PDFダウンロードページ
こちらの記事を参照してください。
注意障害に対するトランプを用いたアプローチ(APTを参考に)
有料ですが、プリント課題を自主制作しました。
なんと、妨害シート付きです。
データはPDFまたはパワーポイントテンプレートとしてダウンロード可能です。
一度ご覧ください。