新人教育用に、トイレ動作でのズボン着脱動作に向けたリハビリテーションアプローチについての資料を作成しました。
目次
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更衣動作(下衣)の評価と結果の解釈、リハビリテーションアプローチに向けて更衣動作(上衣)の評価方法と結果の解釈(高次脳を中心)、リハビリアプローチの方法!
入浴動作の評価と環境設定!身体機能に合わせた福祉用具の選び方、用い方!
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トイレ動作は様々な基本動作が組み合わされた複合的な動作です。
上記を見ただけでも、工程分析上かなりの工程数があるのがわかります。
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トイレ動作は中間位(中途半端な姿勢)での抗重力活動です。
そのような姿勢をいかに保ちながら動作遂行できるかがポイントになります。
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トイレ動作ではバランス能力をいかに発揮できるかがポイントです。
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片麻痺者における下衣操作の特徴としては、狭い支持基底面での活動を強いられることです。
また体幹の運動が入ることで、さらにバランス保持が難しくなります。
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重心移動の困難さは、狭い範囲での重心移動制御となります。
また重心移動の速度が遅く、それは努力的で効率の悪い動作を現しているとも言えます。
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片麻痺の方がズボンの上げ下ろしをする際に、「怖い」という言葉をよく耳にします。
その怖さからバランスを崩す反応が出ることがあります。
ズボン上げ動作では左右方向の重心移動よりも、前後方向のバランスをいかに制御するかがポイントになります。
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トイレ動作に必要なバランス能力の中でも、閉眼(前庭系や体性感覚を用いたバランス制御)での立位保持能力の向上が重要であると言えます。
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バランスの構成要素ですが、
となります。
それぞれの要素を確認していきます。
抗重力筋は、姿勢保持に欠かせない筋肉です。
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外側前庭脊髄路は、立ち上がりなどの下肢伸展活動が要求される場面で必要性が高いものです。
前庭系と小脳のつながりなどのような、脳の連絡について把握しておくことも重要です。
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随意運動と筋緊張の区別はできるでしょうか。
筋緊張は不随意(無意識的なコントロール)なので、基本的には他動運動における抵抗感や静止時の筋緊張などの評価が選択されます。
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姿勢筋緊張とは、
起立するために必要な持続的な筋張力
様々な姿勢・運動を維持・継続するために必要な筋張力
のことです。
ズボン上げ下ろしでは、中間位での立位姿勢保持と下衣操作という2重課題であり、無意識的に姿勢を保持する能力が必要です、
そのためには筋緊張が適切にコントロールされている必要があります。
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ズボン上げ下ろしにおいて、片麻痺の方では後方に傾倒してしまう方を多く見かけます。
その要因の一つとして体幹回旋があります。
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体幹回旋が生じる理由として、股関節の肢位によるものと、腰背部筋の緊張状態の差によるものがあります。
対象者の股関節周囲筋や腰背部筋の状態評価を適切に行い、アプローチすることが重要です。
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アプローチです。
静的バランス→動的バランスの改善を図りますが、その段階づけが重要です。
また、閉眼でのバランス能力を獲得できることもポイントでしょう。
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次に立位でのリーチ動作を伴うバランス強化を行います。
上図はリーチ動作における難易度設定のポイントを示しています。
この時、麻痺側の機能回復に合わせて、どの程度の荷重割合であればバランス保持できるのかも考えていきます。
随意性の低い片麻痺患者におけるトイレ動作の自立には限定的な範囲内での非麻痺側肢を中心とした立位での動的バランス能力を獲得することが重要となります。
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立位は取れるがそのアライメントが不良な場合、下方リーチなどを行う際にバランス保持が難しくなるので、静止立位においてはそのアライメントにも注意しておく必要があります。
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筋緊張のコントロールを高める(低緊張→適正化)には、スクワットが利用できます。
屈曲時:急速に行います。
延髄網様体からの中枢性の調節が動的γ運動ニューロンを介して、Ⅰa感覚神経応答の感度(速さ)を高める(伸筋の遠心性従重力コントロール)。
伸展時:ゆっくりと行います。
橋網様体や前庭脊髄路からの中枢性の調節が静的γ運動ニューロンを介して、Ⅱ感覚神経応答の感度(長さ)を高める(伸筋の求心性抗重力コントロール)。
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下肢装具は足関節のコントロールを大小したり、感覚障害に対しても有効になる場合があります。
便座に下肢を接触させるだけでも安定性は増します。
上図のような手すりの利用方法もあります。
麻痺側、非麻痺側どちらの手すりを利用する方が良いかの検討も大切です。
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あまり利用されませんが、座位でのズボン上げ下ろしも代償手段として検討しても良いと思います。
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対象者の生活場所にもよりますが、立位でのズボン上げ下げが行いにくい場合、臥位で行ってからポータブルトイレを用いることも検討できます。
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対象者に、恐怖感を軽減してもらえるように生活場所においていかに動作遂行の場数を踏んでもらうかも大切な視点になります。
そのため、どうすれば対象者が最大能力を発揮できるかを評価し、それを介護士や看護師に伝えることが必要です。