股関節の手術に、全人工股関節置換術(THA:Total Hip Arthroplasty)があります。今回、THAアプローチ別の、脱臼肢位と日常生活動作(ADL)における指導、注意点についてまとめていきます。また、同じ股関節疾患として、大腿骨頸部骨折のリハビリテーションにも触れていきます。

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目次

THAの脱臼(禁忌)肢位と日常生活動作(ADL)指導、リハビリテーション

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大腿骨頸部と股関節に作用する筋肉

股関節の運動に作用する筋肉には、以下のようなものがあります。

股関節屈曲:腸腰筋、縫工筋、大腿直筋、恥骨筋

股関節伸展:大臀筋、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋

股関節外転:中臀筋、小臀筋、大腿筋膜張筋

股関節内転:大内転筋、短内転筋、長内転筋、腸腰筋

股関節外旋:短外旋筋(梨状筋、内閉鎖筋、上・下双子筋、大腿方形筋)

股関節内旋:大腿筋膜張筋、小臀筋、中臀筋、大内転筋、大腿屈筋群

 

股関節の運動にはこれだけ多くの筋肉が関与しており、痛みの原因や関節可動域制限の原因になる筋肉も数多くあるということになります。

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股関節と神経

股関節を支配する神経は主に以下のものがあります。

・大腿神経
・閉鎖神経
・上・下殿神経
・座骨神経

大腿骨頸部骨折の手術療法において、

前方侵入では大腿外側皮神経の損傷

後方侵入では座骨神経の損傷

の可能性があります。

また、外傷による股関節脱臼においては座骨神経の損傷の可能性があります。

股関節と血管

大腿骨に栄養する血管には以下のものがあります。

・上支帯動脈:骨頭の外上方2/3を栄養
・下支帯動脈:骨頭の1/3を栄養
・大腿骨頭靭帯動脈:靭帯内を通り、骨頭の小さな領域を栄養

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大腿骨頸部骨折は治りにくい

大腿骨頸部骨折は、関節包内の骨折になります。

大腿骨頸部の関節包には骨膜がありません。

また、滑液がないために血腫も形成されにくくなっています。

骨折の修復には、滑膜の骨形成細胞、血腫内の白血球・単球・貧食細胞、血小板の生物活性を有する成長因子の作用により仮骨が形成されます。

滑膜がなく、血腫が形成されにくいということは、修復が起こりにくいということになります。

つまりは、大腿骨頸部骨折は治りにくい疾患であるということです。

大腿骨頸部骨折と手術療法の要点

大腿骨頸部骨折では、骨頭壊死との関係性から、骨接合術もしくは人工骨頭置換術が選択されます。

骨接合術では、人工骨頭置換術による合併症を回避することができます。

人工骨頭置換術による合併症には、脱臼、感染、緩み、摩耗、寛骨への影響などがあります。

骨接合術では、偽関節や骨壊死が起こった骨が運動などにより陥没や変形を起こすリスクがあります。

なお、偽関節とは、

骨折部の骨癒合プロセスが完全に停止したものをいう。骨折の重篤な後遺症のひとつである[1]。骨折部の不安定、血行不良、骨癒合の始めに形成される血腫の流出、糖尿病などの疾患などにより発生する。 偽関節では骨折端の間が結合組織で埋められ、また異常可動性[2]が認められる。

偽関節に対して、骨癒合プロセスが遅れてはいるが停止していない状態を遷延治癒(せんえんちゆ、delayed union )と呼ぶ。

一般的に、受傷後6ヶ月経過しても異常可動性が明らかな場合は偽関節と見なされ、外科手術の対象となることが多い。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%BD%E9%96%A2%E7%AF%80

とあります。

人工骨頭置換術は、血行障害による大腿骨頭壊死のリスクが高い場合に行われます。

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大腿骨頸部骨折の手術療法とリハビリテーション実施上の注意点

大腿骨頸部骨折の手術療法実施後におけるリハビリテーションでの注意点として、

・皮膚の損傷

・筋の損傷

・神経への影響

・禁忌肢位

を考慮する必要があります。

皮膚の損傷では、手術の際に皮膚牽引をし、裂傷や挫滅傷が生じていることがあります。

リハビリを行う際に、瘢痕形成を阻害しないように注意します。

 

筋の損傷では、中臀筋や大腿筋膜張筋の筋膜が切開されることを知っておくことです。

これは、前方・後方アプローチのどちらにおいても切開されます。

これらの筋肉は、歩行時に重要な働きをしており、体重の2〜3倍の筋力を発揮する必要があります。

手術後では、筋力の回復には時間を要すため、早期から積極的に加重や歩行訓練を行いすぎると痛みの発生につながることがあります。

外転筋が適切に働くようなアライメントでの動作が学習されるとよいのですが、異常なアライメントでの運動学習が進んでしまうと、外転筋力が発揮されず、他の部位に痛みが生じる可能性があります。

 

神経の影響では、脚長差が生じることにより、大腿神経、閉鎖神経、座骨神経が伸ばされ神経症状を呈することがあります。

 

人工骨頭置換術における禁忌肢位では、侵入経路により異なります。

後方侵入では、

・過屈曲
・屈曲、内転、内旋

前方侵入では、

・伸展位での外旋

が禁忌肢位になります。

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THAとは

THA(全人工股関節置換術)は、特殊な金属、プラスチック、セラミックなどで作られます。
大腿骨側(ステム)と骨頭、寛骨臼側(カップ、ライナー)の部品が組み合わさって人工関節を構成します。

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THAの対象疾患

・変形性股関節症
・関節リウマチ
・大腿骨頭壊死
・骨系統疾患

症状として、疼痛、関節可動域制限、筋力低下、脚長差、歩行・起立動作困難などがあります。
股関節疾患における疼痛は荷重時や運動時のみでなく、安静時、夜間痛の症状も強いことが特徴です。

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THAのアプローチ(侵入方法)の違い

後側方アプローチ
大臀筋を分けて、短外旋筋群を大転子後方で切離して関節に到達する

前側方アプローチ
大腿筋膜張筋の後縁で大腿筋膜を切開し、大腿筋膜張筋と中臀筋の間で侵入する

前方アプローチ
大腿筋膜張筋と縫工筋、大腿直筋の間から股関節前方へ侵入する

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THAと脱臼

THAにおいて、脱臼の発生率は約5%と言われています。
脱臼の多くは早期に発生し、術後3ヶ月(特に1ヶ月以内)が危ないため、注意が必要です。

脱臼には前方脱臼と後方脱臼があります。
前方アプローチでは前方脱臼が、後方アプローチでは後方脱臼が問題になります。
設置角度の違いでは、後捻では後方脱臼、過前捻では前方脱臼が問題になります。
脱臼肢位では、伸展・外旋(あぐら)では前方脱臼、深屈曲では後方脱臼、屈曲・内旋(女座り)では後方脱臼が問題になります。

アプローチの違いによる脱臼率では、前方よりも後方の方が多いとされています。

脱臼の原因としては、主に3つがあります。
ネック・カップインピンジメント
骨頭頸部がソケット辺縁に衝突する

骨性インピンジメント
骨盤と大腿骨が衝突する

牽引力
骨頭がソケットの外に出るまで牽引される

骨頭径が大きいほどカップからはみ出ないため、脱臼が起こりにくくなっています。
なお、インピンジメントが生じてから脱臼するまでヘッドがカップの縁を乗り越えるまでの距離を、Jumping distanceと呼びます。

再置換術では脱臼しやすく、動作指導や患者教育が重要になります。

脱臼した場合、徒手整復、装具、観血的整復術、再置換術が行われます。
装具療法では、装具により脱臼肢位をとらないように制御し、約3ヶ月程度装着します。
軟部組織の修復と緊張で脱臼がしなくなることを期待します。

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ADL指導

脱臼肢位

前側方アプローチでは、股関節の深屈曲、股関節伸展・内転・外旋に注意します。

後方アプローチでは、股関節の深屈曲、股関節屈曲・内転・内旋に注意します。

前側方アプローチにおける注意点は下線で示しています(深屈曲は共通の禁忌肢位となります)。

ベッド上動作

寝返り動作では、股関節が内側にねじれないように枕を足の間に挟むことで予防します。

患側下肢が置いていかれてしまうと、股関節がねじれる動きとなってしまいます。

起き上がり動作では、腹筋の力が強ければ真っ直ぐ上体を起こすように起き上がります。

この時も、股関節がねじれてしまうと脱臼の危険性が高くなってしまいます。
前側方アプローチでは、腹臥位にて体をひねらないようにすることが大切です。

ベッドに寝に行く際に、台の上に膝をつけて行おうとしてはいけません。

座位

座位では、膝の位置が股関節よりも下にあるようにします。
低い椅子では、股関節深屈曲となり脱臼肢位となります。

座位では患側股関節が内側にねじれてはいけません。

「膝を離す」「踵をつけて足首を広げる(外に向ける)」と声かけをすると意識しやすくなります。

患側下肢を上にして足を組んではいけません。

足を組みたい場合、健側下肢上にして組むようにします。このとき、患側股関節は真っ直ぐ保ちます。

靴着脱

靴着脱の際は、股関節が深屈曲位や内側にねじれる動きで行ってはいけません。

座位であれば、股関節は外に開くようにしながら靴べらを使用します。

また、足を外に開いてベッドや台などに乗せることでも動作可能です。

立位であれば、足をベッドや台に乗せて行います。

靴下着脱

靴下着脱の際は、股関節が深い屈曲や内側にねじれる動きで行ってはいけません。

長座位で動作を行うと股関節は深屈曲となります。

ソックスエイドやリーチャー、マジックハンドを使用します。

足を外に開いてベッドや台などに乗せることでも動作可能です。

爪切り

爪切りでは、長座位で行うと脱臼肢位となります。
座位で足を外に開いて台に足を乗せるようにして行います。

無理をしてはいけないので、爪切りは介助してもらうのも一つの考え方です。

立ち上がり

立ち上がりでは、足の位置がポイントになります。
足の位置が「足を引いた状態」や「通常(膝屈曲90°程度)」では、股関節は深屈曲とはなりません。
足の位置が「前方」にあると、股関節は深屈曲となってしまいます。

移乗

足の位置は「足を引いた状態」「通常(膝関節屈曲90°程度)」とし、股関節が深屈曲とならないようにします。
上半身だけが動いてしまうと、股関節は屈曲・内転・内旋位となるため、少しずつ回転していき、正面を向いてから座るようにします。

ズボン着脱

ズボン着脱は手術側の足から履き、健側から脱ぎます。
後方アプローチでは足を外に開いて履きます。

前側方アプローチでは内股にして履きます。

自助具(紐付き洗濯バサミ)を用いると行いやすくなります。

入浴

座位から行う場合は、浴槽と同じ高さの椅子を用意します。
基本は健側から入り、手術側から出ます。

立位で行う場合、浴槽のまたぎ高が高すぎると、股関節が深屈曲となってしまうため、無理せず座位で行うようにします。
浴槽内に座る際は、長座位または正座で行います。
浴槽内椅子を使用する際は、股関節の屈曲角度が大きくなりすぎないようにします。

足を洗う際は股関節が深屈曲にならないようにするために、洗体用具を用います。

入浴後に足を拭く際には、長めのタオルを用います。

物を拾う

物を拾うさいには、足が内に入る、股関節を深く曲げてはいけません。
手術側の足を後ろに引く、または膝をつくことで股関節深屈曲を防ぐことができます。

マジックハンドや長いトングを使用します。

床上動作

床に座る際には、手術側の下肢を後ろに引き、膝を曲げながら両手をつきます。このとき、台があると動作が行いやすくなります。

その後正座やあぐらは可能ですが、正座でお辞儀、横座り、とんび座りは禁忌肢位となります。

長座位になる場合、股関節をねじらないようにしながら体を回転させ、お尻をつきます。

排泄

洋式トイレで行います。
腹圧を高めるときに、股関節が深屈曲とならないように注意します。
後始末は両足の間、または健側から行います。

その他(家事動作、自転車、自動車)

掃除機やモップを利用します。
洗濯では洗濯かごを下に置くと股関節が深屈曲となるため、かごを置く高さに注意します。
床を拭く動作は、股関節が知らず知らずのうちに深屈曲位となることがあるため行ってはいけません。
自転車や自動車運転では、サドルや座面に座ったときの股関節の角度に注意する必要があります。

以下の姿勢は、術後1ヶ月はどの姿勢を取る際も危険が予測されます。1−3ヶ月は要注意となり、3ヶ月以降は制限なしとされています。
正座、和式トイレ、爪切り、蹲踞、あぐら、女座り。
担当医の指示を仰ぐことが必要です。

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大腿骨頸部骨折術後とADL向上のための動作指導

大腿骨頸部骨折術後の作業療法では、ADLの自立度を高めるために動作指導を行います。

股関節の関節可動域制限に対しては、

・リーチャー
・火箸
・ソックスコーン
・紐付き洗濯バサミ

を使用し、物を拾う動作や靴下、下着やズボンの着脱の自立度を高めます。

これら自助具は、股関節の可動域制限の改善や、股関節周囲の軟部組織がしっかりとしてくることで使用しなくてもよくなることがあります。

担当医師との相談し、どの程度の肢位をとってよいかを確認することも大切になります。

 

床上動作の困難さについては、

・生活環境の調整
・床への立ち座り動作の指導

が挙げられます。

生活環境の調整では、ベッドやテーブル、椅子、ソファーの使用に関してになります。

股関節過屈曲とならないような椅子の高さを調節することが必要になります。

高齢者では、元々の下肢の筋力低下もあることから、立ち上がりの行いやすい高さを調整することで、生活のしやすさにつなげることが可能です。

床への立ち座り動作の指導では、どうしても脱臼肢位とのかねあいがあります。

脱臼肢位を守れないのであれば(身体機能的に)、床への立ち座りは行わないように徹底する方がよいかもしれません。

その辺りは、対象者の方との話合いを通して、生活スタイルから必要性を確認する方がよいでしょう。

入浴動作では、浴槽内に普通に座るとどうしても過屈曲の肢位となるため、対象者の退院が早くなるようであれば、浴槽内椅子やシャワー椅子を用いるように指導します。

また、入浴動作では転倒のリスクが高くなることから、またぎ動作の指導や手すりの設置による動作を指導するようにします。

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大腿骨頸部骨折と作業療法(機能訓練を中心に)

大腿骨頸部骨折の作業療法では、以下のようなアプローチが行われます。

その場合、

・関節可動域拡大
・下肢筋力向上
・体幹筋力向上
・筋緊張調整
・下肢協調運動
・基本動作訓練
・立位訓練(バランス、患側への荷重の促し)
・ADL訓練
・自助具検討
・住宅改修
・家族指導

などが行われます。

家族指導では、入院中は病棟スタッフが常に動作に関して注意をしてくれますが、退院後にはそれがなくなります。

対象者が認知機能的に問題なければ脱臼肢位は守られるでしょうが、介助が必要になる場合には、家族が介助方法や注意点を知っている必要があります。

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大腿骨頸部骨折の歩行の特徴!立脚初期の痛みや膝折れはなぜ起こるか!

大腿骨頸部骨折の筋力低下と姿勢、動作への影響

大腿骨頸部骨折(頸部骨折術後)の方では、下肢(特に股関節)の筋力低下が見られます。

中でも、中殿筋や大殿筋などの筋力低下が目立つのが特徴です。

股関節周囲筋の筋力が低下すると、立ち上がりや立位、歩行などに様々な影響を及ぼします。

股関節周囲筋が安定していれば、荷重をかけても大腿骨頭は適切な位置に保つことができますが、股関節周囲筋によって安定性が得られていない場合、荷重をかけると大腿骨頭にはずれが生じてしまいます。

そのような状況では、安定性を求めるがゆえに、大腿直筋や大腿筋膜張筋に体重を預けるように適応してしまいます。

また、股関節周囲筋の筋力低下により、立位における荷重が健側に偏っていると、支持している健側には伸筋が促通されますが、支持されていない(追従しているだけ)患側には屈筋の緊張が高まりやすくなります。

このような状況では、立ち上がりの際に両下肢の伸展筋を用いたくても、うまく利用できないということが起こっても仕方ありません。

股関節の関節可動域を考えると、日常的に大腿直筋の緊張が亢進しているような場合、大腿骨頭は前方に突出することが考えられます。

そのような状況では、股関節屈曲を行うとインピンジメントが起こり、痛みや関節可動域の制限が起きてしまいます。

インピンジメントが起こるような場合、股関節外旋が入ると屈曲の可動域は拡大しますが、この影響は立ち上がり動作に現れることがあります。

立ち上がり動作では、股関節屈曲の可動域を補うために、股を開くように(外旋)して立ち上がったりすることがあります。

仙腸関節は大殿筋上部繊維や梨状筋により安定性を得ていますが、大殿筋の筋力低下があると、仙腸関節の安定性を梨状筋が過剰に収縮することで補うことになります。

このような状況では、梨状筋に痛みが出たり、大腿骨頭を前方に突出させることにもつながり、股関節屈曲時のインピンジメントにつながります。

例を挙げるときりがありませんが、大腿骨頸部骨折の方の股関節周囲筋の筋力低下は、様々な姿勢や動作に悪影響を及ぼすことがわかります。

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大腿骨頸部骨折と歩行の特徴①立脚初期の痛み

大腿骨頸部骨折の方は、股関節周囲筋(特に中殿筋などの殿筋)の筋力低下により、歩行の立脚の際に骨盤が患側方向にスウェイしながら歩くことが見られます。

さらにこのとき、特徴的なのが踵が外側を向くことです。

立脚初期における骨盤の側方制御が難しいのであれば、つま先を外側に向ける方が都合がよいとも考えられます。

つま先を外側に向けると、足関節の底屈筋を用いて、骨盤の側方移動を制御できるためです。

しかし、大腿骨頸部骨折の方では、踵を外側に向けることで骨盤の側方制御を行っています。
これにはどのような意味があるのでしょうか。

大腿骨頸部骨折の方では、踵を外側に向けることで、腸脛靭帯(大腿筋膜長筋も含む)に寄りかかるようにして骨盤の側方移動を制御しています。

このとき、制御を強めるために腸脛靭帯の緊張を高めたいのですが、これに関与しているのは主に外側広筋になります。

大腿筋膜長筋を利用したい所なのですが、大腿筋膜張筋は筋長が短いために、緊張を高めるためには不利になります。

外側広筋は腸脛靭帯の筋膜との連結があり、外側広筋の緊張を高めることで腸脛靭帯を外側に押し出すようにしています。

大腿骨頸部骨折の方が立脚初期で股関節外側に痛みが生じるのは、このような理由が考えられます。

腸脛靭帯、外側広筋の部分にストレスがかかり、筋膜連結部分の滑りが悪くなることが痛みの主な原因になります。

大腿骨頸部骨折と歩行の特徴②立脚中期から後期にかけての膝折れ

大腿骨頸部骨折の方の歩行において、膝折れがみられるのは歩行周期のどの時期になるでしょうか。

踵接地の時期ではなく、立脚中期から後期にかけての時期になります。

前途しましたが、大腿骨頸部骨折の方の立位姿勢は、大腿直筋や大腿筋膜張筋にあずけるような姿勢をとっています。

このことから、大腿直筋の筋緊張は常に高くなっていると考えられます。

そのため、踵接地時における膝折れは見られにくいことが考えられます。

大腿骨頸部骨折の歩行の立脚中期から後期にかけての膝折れでは、体が前に勢いよく倒れるようになることが特徴的です。

これは、立脚中期から後期にかけて、足関節の制御が行えないためだと考えられます。

立脚中期から後期にかけては、脛骨が前方に倒れていくのを、ヒラメ筋の遠心性収縮により制御していますが、この部分がうまく行えないことにより膝折れが起こっていると捉えることができます。

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