脊椎破裂骨折のリハビリテーションの進め方についてまとめています。
脊椎破裂骨折のリハビリテーションの進め方-圧迫骨折よりも慎重に行う理由と日常生活への繋げ方-
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脊椎圧迫・破裂骨折で注意する事
- 圧迫骨折
・骨折が椎体の前壁(お腹側)にある状態で止まる
・神経症状(運動麻痺や痺れ等)は伴わない
- 破裂骨折
・骨折が椎体の後壁(背中側)にある状態
・骨片が脊柱管(脊髄神経の通り道)に突出すると神経症状が出現する場合がある
※破裂骨折の場合、より慎重に日常生活指導やリハビリテーションを進めて行く必要がある(遅発性の神経障害)
破裂骨折の安静時期におけるリハビリテーション(ベッド上安静の目安)
- ベッド上安静の目安は?
・医師の指示による(骨折部の状態により異なる)
・一定期間のベッド上安静(臥床)がある場合
⇨2-4週間が多い
寝返りやギャッジベッド 20°程度の挙上は可能
場合により、コルセット着用の元、食事時座位やトイレ(Pトイレ)を使用許可が出ることもある
破裂骨折の安静時期におけるリハビリテーション(ベッドサイドでのリハビリ)
- ベッドサイドでのリハビリテーション
・寝返り動作の指導
⇨膝を立て、丸太のように下肢と体幹が一体になるように寝返りを行う(体幹回旋動作が禁忌のため)
・下肢関節可動域の維持
⇨不動による拘縮を防ぐ
自主的な運動を指導する(特に足関節底背屈)
⇨深部静脈血栓症(DVT)の予防
・腰背部に負担のかからない範囲での下肢筋力増強運動の実施
破裂骨折の離床時期におけるリハビリテーション(日常生活動作指導)
- 日常生活動作指導
・ベッドや布団から起き上がる時に、腹筋の力を使ってまっすぐ起きない
・体幹前傾、体幹回旋動作を行わせない
・靴や靴下を履く、立ち上がる、トイレでお尻を拭く、顔を洗うなど、何気ない動作で体幹運動が生じやすい
⇨椎体の圧潰進行を防ぐ(破裂骨折は進行しやすい)
遅発性の神経障害の出現を防ぐ
神経障害発生の有無を日頃から確認する
禁忌姿勢とC7PL
- 高齢者では円背姿勢多いが、第7頸椎から、床に垂直に線を引いたときに、線が大転子よりも前に出ているときは、圧潰が進行しやすい
- 線のことを「C7PL」と呼ぶ
- 座位や立位、その他の動作において姿勢には注意する
破裂骨折の離床時期におけるリハビリテーション(歩行練習)
- 歩行練習
・有酸素運動による運動耐容能の改善
・有酸素運動は、骨に対する適度な刺激や全身の機能を高め、骨量の維持・増加や転倒の抑止に有効
・歩行器等を用いながら、高齢者では最大酸素摂取量の50%または40%に設定する
⇨「ややきつい」程度の運動に設定する
・シルバーカーでは、円背がある場合、前方横バー握りのタイプで高さは本人が持ちやすい高さ(通常臍の高さ)に合わせる
破裂骨折の歩行練習に適切な姿勢
- 歩行姿勢にも注意を向ける
- C7PL(第7頸椎椎体中心からの鉛直線)を用いる
→C7PLが大転子よりも後方にある姿勢をとるように!!
→頭部の重心位置が圧迫骨折部より前方にあると、椎体の圧潰は進行する可能性が高い
- 歩行練習中に筋疲労によりC7PLが前方になり、姿勢の自己矯正が難しい状態になるのであれば適宜休憩をとりながら行う
- 歩行距離の最終目標は連続歩行30分、1日7000歩程度(内科疾患などによりゴールは異なる)
- 初めは30m程度から開始し、歩行時間や距離を増やす
破裂骨折の離床時期におけるリハビリテーション(下肢筋力増強運動)
- 下肢筋力増強運動
・股関節屈曲筋(腸腰筋)の求心・等尺・遠心性収縮
・膝伸展筋(大腿四頭筋)の求心・等尺・遠心性収縮
・スクワット
・踵上げ
*トレーニング中は脊椎と骨盤を直立位に保つ
破裂骨折の離床時期におけるリハビリテーション(体幹の筋力増強運動)
- 体幹筋の筋力増強運動
・破裂骨折や後壁損傷がある場合、体幹伸展筋の筋力増強運動は慎重に行う必要がある
・体幹伸展刺激が離開刺激になる可能性がある
- 骨損傷の状態により、よく行うチューブトレーニングが禁忌になる可能性もあるので、医師に確認が必要
破裂骨折の離床時期におけるリハビリテーション(その他、退院に向けて)
- 階段昇降
・骨折部の負担を考慮し、骨癒合状態の確認を行い実施する
- バランス練習
・後方への外乱応答の低下に注目
・転倒予防のためにバランス課題も並行して実施
- ADL練習
・圧潰予防を考慮した動作練習を実施
・自宅環境に合わせた動作練習を実施し退院に繋げる
- サービス調整
・回復状態と今後の予後予測に応じて、介護保険・介護保険外サービスの調整を提案する