促通反復療法(川平法)で電気刺激を併用する場合に推奨されるパラメータ設定

重度脳卒中片麻痺者においては、その状態に応じて、促通反復療法(川平法)やCI療法を用いることが理想的です。重度運動麻痺の場合、CI療法の適応にはなりにくく、まずは促通反復療法などで随意性を高めるようなアプローチが選択されると思います。そして、促通反復療法(川平法)に電気刺激を併用しながら実施することで、さらに効果が高まるとも言われています。今回、促通反復療法(川平法)で電気刺激を併用する場合に推奨されるパラメータ設定についてまとめていきたいと思います。

目次

促通反復療法(川平法)で電気刺激を併用する場合に推奨されるパラメータ設定

促通反復療法(川平法)の概要と治療プログラムについて

促通反復療法(川平法)の概要

重要な概念や紹介は様々な所で情報が得られるため、大雑把ですが重要な点を挙げていく事にします。

・再建・強化したい神経路にのみ興奮を繰り返し伝えることが重要。
・目的の運動を獲得するには患者の自動運動の反復が必要。
・運動前野や運動野の興奮性を高める:
タッピング、患肢注視(視覚)、聴覚、意志、意図、伸張反射、集中反復(100回)

回復目標

  • 罹病1ヶ月の場合、3ヶ月までの目標は
    上肢:Ⅰ-Ⅱ→Ⅲ-Ⅳ、Ⅳ-Ⅴ→Ⅴ-Ⅵ、Ⅴ→Ⅵ
    手指:Ⅰ-Ⅱ→Ⅲ-Ⅳ、Ⅳ-Ⅴ→Ⅵ、Ⅵ→それ以上
  • 罹病3ヶ月以上の場合、数ヶ月後の目標は
    上肢:Ⅰ-Ⅱ→Ⅱ-Ⅲ、Ⅲ-Ⅳ→Ⅳ-Ⅴ、Ⅴ→Ⅵ
    手指:Ⅰ-Ⅱ→Ⅱ-Ⅲ、Ⅲ→Ⅳ、Ⅳ-Ⅴ→Ⅴ-Ⅵ
  • 個々の指の動きの回復は遅くても手指屈筋群の痙縮が強くならない場合回復の可能性あり
  • 急速に痙縮が強まる例は回復悪い

治療プログラム(肩)

◯肩屈曲パターン5種類

①肩屈曲、外転
②側臥位での肩屈曲伸展
③肩屈曲
④肩屈曲・内転
⑤肩屈曲・外旋と肘屈曲と前腕回外の組み合わせ

◯stage別治療プログラム

Brs-stage      目標          パターン

Ⅰ・Ⅱ   共同運動誘発→分離運動     ①②

Ⅲ   分離運動(単純な関節運動)   ③④

Ⅳ・Ⅴ  分離運動(共同運動とは逆の筋) ③④⑤

Ⅵ   分離運動(抗重力位での獲得)   ②④⑤

◯その他の重要な要素

  • 肩甲帯の随意性向上
  • 屈曲(抵抗付き):筋力
  • 実用的にするために
    ①屈曲、内転、外旋で麻痺手が対側の耳・頭頂部へ
    ②①+肘も顔の前まで挙上
    ③屈曲、外転、外旋、肘伸展で腕が耳に当たるくらいまでの伸展挙上
    ④肩90度で肩内旋の場合③を重点的に

治療プログラム(肘)

・初めは肩の動きを伴って良い(前鋸筋、三角筋後部)→肩の動きなしで
・肩90度保持で肘伸展不可の場合、肩外転、伸展位で実施

治療プログラム(前腕)

・誘発困難な場合
回外:肩外転、屈曲
回内:肩内転、内旋、伸展
と組み合わせて行う(共同運動の利用)

・座位での回内困難な場合
臥位で顔の前で促通する(伸筋群の緊張が高まる)

治療プログラム(手指)

  • 重度麻痺(指の屈曲なしorわずかに出る)
    個々の手指屈曲(座位)
  • 総指握り可能だが指伸展不可
    個々の手指伸展(臥位)
    特に母指、示指、中指
  • 手指屈曲と伸展がある程度可能
    個々の手指屈曲・伸展
  • 促通直後の同時収縮(グーパー)は避ける
  • 集団屈曲からの各指伸展は個々の指の屈曲より容易

スポンサーリンク

促通反復療法と電気刺激併用時のパラメータ設定

パラメータ設定について

促通反復療法と電気刺激を併用する場合におけるパラメータ設定について、以下に手順を述べていきます。

①運動を誘発させたい神経筋群に表面電極を貼り付ける
②パラメータ設定(周波数20Hz〜50Hz、パルス幅150〜250μsec)
③持続的に電気刺激を与えながら、自動運動or自動介助運動を行う

なぜ持続的な電気刺激が有効なのか

詳しくは、

Shimodozono M,Noma T,Matsumoto S,Miyata R,Etoh S,Kawahira K: Repetitive facilitative exercise under continuous electrical stimulation for severe arm impairment after subacute stroke: A randomized controlled pilot study. Brain inj. 28 (2): 203-210, 2014

を見てもらうと良いと思います。

この電気刺激併用での促通反復療法ですが、わずかに筋収縮が生じる程度(感覚閾値より大きく、運動閾値より小さい程度)に電気刺激を与えることで、運動を促通するための筋に対して、あらかじめ興奮性を高めておくことが可能になります。

刺激強度を低振幅,すなわちわずかに筋収縮を生じる程度の筋緊張として関節運動を生じるほどには強くしないところにある.
つまり,NMESによって他動的に”麻痺肢を動かすのではなく,標的とする末梢の神経筋をあらかじめ軽度興奮させておき,中枢からの興奮伝達がたとえ弱くても標的筋を駆動しやすくすることを目的としている.

下堂薗恵他「電気刺激と促通反復療法の併用効果」Jpn J Rehabil Med Vol.54 No.82017

電気刺激を併用することで、

・再建・強化したい神経路にのみ興奮を繰り返し伝えることが重要
・目的の運動を獲得するには患者の自動運動の反復が必要
・運動前野や運動野の興奮性を高める

という3点をさらに強化することにつながることになります。

動画でさらに詳しい解説を確認

チャンネル登録よろしくお願いします⇨https://bit.ly/37QHaWc

スポンサーリンク

脳卒中では損傷部位別の評価とアプローチを行うことが必要ですよね?

\ 最新情報をチェック /