間質性肺炎のリハビリテーション-重症度別リハ内容と運動強度の決定-
間質性肺炎におけるリハビリテーションとして、リハ内容の決定と運動強度の決定に焦点を当ててまとめていきたいと思います。
目次
間質性肺炎のリハビリテーション-リハに内容と運動強度の決定-
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間質性肺炎について(復習)
間質性肺炎は、肺の間質に炎症が起こっている疾患の総称です。
予後不良で治療も困難な事が特徴的です。
間質性肺炎が進行して組織が繊維化したものを肺線維症と呼んでいます。
間質性肺炎については以下の記事を参照してください。
間質性肺炎と労作時低酸素-なぜ低酸素?リハビリの注意点は?-
間質性肺炎に対するリハビリテーションの戦略
間質性肺炎に対するリハビリテーションでは、基本的にはCOPDに準じた運動療法を中心としたプログラムが推奨、適用されています。
間質性肺炎では、労作時の低酸素血症が高度になることが特徴であり、リハビリテーション実施においては低酸素血症に対する評価を十分に行う必要があります。
特発性肺線維症や非特異的間質性肺炎等の慢性線維化性間質性肺炎では、COPD同様に下肢筋力の低下が運動耐容能の低下に関与することが知られています。
そのため、吸困難や下肢筋力低下による活動制限に対するリハビリテーションを実施するしていくことが大切です。
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COPDの呼吸リハや運動療法をそのまま適用できるのか

COPDを対象に確立された同一の呼吸リハプログラムを,障害の程度を一致させたIPFおよびCOPD患者に同時期に適用し,その効果を比較検討した.その結果,IPFにおいても呼吸困難,大腿四頭筋筋力,6分間歩行距離,ADLで有意な改善を認めたが,その効果の大きさはCOPDと比較して明らかに小さかった .またSF-36によるHRQLの改善を認めず,効果は6ヵ月後には消失した.同じトレーニングプロトコールを適用したにもかかわらず,IPFにおける運動負荷量の最終到達レベルは有意に低かった.症状コントロールや管理の難しさに加え,呼吸困難の軽減に作用する末梢骨格筋機能への運動効果も制限されている可能性が示唆された.
Kozu, R., Senjyu, H., Jenkins, S.C., et al: Differences in response to pulmonar y rehabilitation in idiopathic pulmonar y fibrosis and chronic obstr uctive pulmonar y disease, Respiration, DOI: 10.1159/000315475, 2010.
MRC息切れスケールを基準とした重症度別で成績を比較検討したところ,MRCグレード2, 3では呼吸困難,6分間歩行距離,四肢筋力,ADL,HRQLすべての項目で有意な改善を認めたが,グレード4, 5では改善をみなかった13).軽症から中等症のIPFでは呼吸リハの有効性が確認できたが,進行例での効果は乏しいということが明らかとなった.
神津 玲,迎 寛,石本裕士,他:MRC息切れスケールを基準とした特発性肺線維症患者に対する呼吸リハビリテーションの治療成績,日本呼吸器学会雑誌,45(suppl.):139,2007.
上記のように、COPDのリハビリテーションを間質性肺炎に対してそのまま適応することは疑問点も残ります。
間質性肺炎は病状の進行が比較的速い事が多く、下肢筋の廃用がCOPDほど大きくない可能性があることも指摘されています。
間質性肺炎では,拡散障害に伴う重篤な酸素摂取制限が大きな問題となり,心拍出依存性に拡散能力が低下して生じる重篤な運動時低酸素血症は,骨格筋の代謝を解糖に傾かせ,多量の乳酸を産生させる.それに加えて高度の低酸素血症そのものによる換気ドライブの増強は低強度の運動でも著しく亢進,それに拘束性障害による換気の弾性仕事量増大がさらに加わることによって高度の呼吸困難を引き起こしている.
Markovitz, G.H., Cooper, C.B.: Rehabilitation in non-COPD: mechanisms of exercise limitation and pulmonary rehabilitation for patients with pulmonar y fibrosis/restrictive lung disease, Chron Respir Dis, 7: 47~60, 2010.
これらのことから対象者の状態に合わせたリハビリテーションの検討・実施が求められる事がわかります。
間質性肺炎(軽・中等症例)に対する呼吸リハビリテーションの内容

労作時の低酸素血症が比較的軽度でADLが確保できている軽症例や中等症例ではCOPDと同様,高強度の下肢トレーニングを主体とした運動療法を適用することが可能であり,効果も同様に期待できる.
神津 玲他「間質性肺炎患者に対する呼吸リハビリテーションの現状と課題」日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 第20巻第1号
労作時の低酸素血症
に注意しながら、適切な負荷量を設定する事が必要になります。
基本的には、運動時のSpO2が90%以下にならないように酸素量を決定しながらリハビリテーションを行います。
運動療法の中止基準としては修正Borgスケール「7-9」とし、呼吸困難、動悸、胸痛、疲労、めまい、チアノーゼ等の自覚症状を確認します。
パニックコントロールについては安楽姿勢や口すぼめ呼吸での対応、呼吸困難感の増強に対しては徒手的な介助も行います。
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間質性肺炎(重症例)に対する呼吸リハビリテーションの内容

間質性肺炎の重症例というのは、低酸素血症が高度でADLが制限されているような進行例をさします。
重症例に対しては、低酸素血症を生じさせないための酸素投与量を調整する事が重要です。
また、酸素消費を抑えるための動作要領や環境の整備を適宜行います。



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