関節リウマチの基礎知識(病態、症状、関節炎、変形など)や日常生活を送るための工夫点
今回は、関節リウマチの基礎知識から日常生活を送るための工夫点などについてまとめていきたいと思います。
目次
関節リウマチの基礎知識(病態、症状、関節炎、変形など)や日常生活を送るための工夫点
関節リウマチについてのお勧め記事
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- 関節リウマチと心理:MASを用いた不安の評価
- 関節リウマチのQOL評価:AIMS日本語版、HAQの概要と評価方法、結果の解釈
- 関節リウマチの評価項目とこれだけは知っておきたい評価法!
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関節リウマチの概要
関節リウマチとは

- 関節のこわばりから始まる
- 痛みや腫れが生じる
- 多くは手や足の関節から始まる
- 発熱や食欲不振、倦怠感などが生じることもある
- 関節に生じる炎症
⇨進行により軟骨や骨などが破壊され、変形が生じ動かせなくなる
- 免疫異常により炎症が生じる
- 自分の細胞や組織を攻撃する(自己免疫疾患)

- 関節リウマチは膠原病の一つ
- 免疫異常が生じる原因は不明
- 遺伝的要因に加え、感染や喫煙などが引き金になると考えられる
- 喫煙は治療薬の効果にも影響する
- 完治させることはできない
- 早期発見・治療により関節破壊の進行を止める
- 女性(30-60代)に多いが、男性も全体の2割いる
関節リウマチの症状
関節リウマチと関節炎

- 朝のこわばり
⇨関節が動かしにくくなる
小さな関節(手や足の指など)
1〜2時間で消える
状態が悪いと長引く - 関節の炎症(腫れ、熱、痛み)
⇨多発性:複数箇所に生じるようになる
対称性:反対側にも生じる
移動性:全身の様々な箇所で生じる - 季節、天候、気圧の変化、ストレスなどで変化がある

- 進行とともに症状が悪化
- 関節水腫
⇨炎症により関節液が増える(水が溜まった状態)
膝によく見られる - 腱鞘炎
⇨腱が腫れて関節がスムーズに動かなくなる
バネ指につながることがある - 滑液包(関節包と筋肉が接する部分などにある袋)炎
⇨炎症により関節液が溜まり腫れる
肘や足関節、膝によく見られる
関節リウマチと変形

- 発症後すぐに関節変形が起こるわけではない
- 関節炎の進行が変形につながる
- 炎症が軟骨や骨を破壊し、筋肉が萎縮し、腱が断裂し、変形する
- 手は尺側変形、スワンネック変形、ボタンホール変形
- 足はハンマー指、外反母趾

- 尺側変形
母指以外が小指側を向く - スワンネック変形
指の第一関節が曲がり、第二関節が反る(白鳥の首に見える) - ボタンホール変形
指の第一関節が反り、第二関節が曲がる - ハンマー指
足の指が亜脱臼し、つま先が床に当たる
⇨靴が履きにくい、足の裏にタコができる
関節リウマチと全身症状

- 微熱、倦怠感、疲労感、だるさ、食欲不振、体重減少、貧血など
⇨炎症が活発な時期は注意 - リウマトイド結節
膝、肘、後頭部、臀部などにできるしこり
痛みはないが、状態が良くない場合に出やすい

- 肺炎
間質性肺炎
⇨肺胞の炎症
息切れや呼吸困難感につながる
進行により肺線維症となる
抗リウマチ薬による肺炎(副作用)や感染症による肺炎も存在

- 悪性関節リウマチ(難病指定)
・炎症が血管に広まる(血管炎)
・原因不明
・発熱(38℃以上)、紫班、筋肉痛、筋力低下など
・大血管での炎症
⇨心筋梗塞、腸間膜動脈血栓症(腹膜炎や腸閉塞につながる)
・小血管での炎症
⇨皮膚潰瘍、神経炎、間質性肺炎、胸膜炎、虹彩炎など
・関節炎が急激に進む

- 合併症
・骨粗鬆症
⇨破骨細胞が活性化、痛みによる運動不足、ステロイド
・動脈硬化
・肺炎
・シェーグレン症候群
⇨膠原病の一つ。外分泌腺の炎症による分泌液減少→乾燥
・非ステロイド系抗炎症薬→胃炎や胃潰瘍
・アミロイド蓄積による腎障害など
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関節リウマチを疑う場合にどうするか
初期症状の特徴

- 朝のこわばり
⇨関節が動かしにくくなる
小さな関節(手や足の指など)
1〜2時間で消える
状態が悪いと長引く - 関節の炎症(腫れ、熱、痛み)
⇨多発性:様々な箇所に生じるようになる
対称性:反対側にも生じる
移動性:様々な箇所で生じる
- 季節、天候、気圧の変化、ストレスなどで変化がある

- リウマチ科
- 膠原病科
- リウマチ外科
- リウマチ専門医がいる医療機関を受診するのがベスト
- 初期症状の段階では診断が難しいと言われている
- リウマチ専門医、認定リウマチ医を学会ホームページで検索

- 情報提供
・朝のこわばり
⇨いつ始まるか、持続時間など
・関節痛
⇨いつから、どこ、どのような、どれくらい、反対側は、安静時は
・腫脹
⇨いつから、どこ、どれくらい、反対側は、熱感
・圧痛
⇨どこ、押した時の痛みの程度
・全身症状
⇨疲労感、倦怠感、熱、食欲不振など
・遺伝要因
関節破壊の進み方
Steinbrockerの病気分類

- Steinbrockerの病期分類
- 関節破壊の進行度合いにより4つのステージに分類される
- 最も破壊の進んだ関節の状態で判断をする
| ステージ1(早期) | ・関節の変化はない・X線検査でも骨や軟骨の破壊は確認されない・関節内では炎症により滑膜増殖やただれ、厚みが増す |
| ステージ2(中期) | ・炎症による骨粗鬆症・軟骨下骨に軽度破壊(骨びらん)があることも |
| ステージ3(進行期) | ・骨や軟骨が破壊される・骨と骨の隙間が狭くなる・関節変形が起きやすい |
| ステージ4(末期) | ・骨と骨が固定される(強直) |
関節破壊の進行に伴う日常生活の障害(機能障害の進行度)

- 米国リウマチ学会の機能障害度分類
- 日常生活にどの程度障害が出るかを4段階に分類
| クラスⅠ(ほぼ正常) | ・日常生活動作に問題はない |
| クラスⅡ(軽度障害) | ・多少の障害はあるが普通の生活ができる・趣味やスポーツは制限されることがある |
| クラスⅢ(制限) | ・身の回りのことは何とかできるが、外出時などには介助が必要 |
| クラスⅣ(不能) | ・ほとんど寝たきりあるいは車椅子生活で、身の回りのことが自分ではほとんどできない状態 |
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関節リウマチの検査
血沈

- 炎症反応を見る
⇨関節リウマチにどの程度の勢いがあるか - 血沈(赤血球沈降速度、赤沈)
・血液中にある赤血球が1時間にどの程度沈むか(速度)の指標
・男性10mm以下、女性20mm以下
・炎症が強いと100mmを超える場合あり
・貧血傾向がある場合、数値が高くなる
CRP

- CRP(C反応性タンパク)
- 肝臓で作られるタンパク質
- 炎症が生じると、炎症性サイトカインが増え、肝臓に刺激が入りCRPを作る
- CRPが高くなれば炎症が生じている
- 0.3mg/dl以下が基準値
- 炎症が強い場合10mg/dlを超える場合あり
血液成分の変化

- 活動期の血液成分の変化がある
- 減少
⇨血色素量、血清総タンパク、血清アルブミン - 増加
⇨血小板、グロブリン、アルカリホスファターゼ
リウマトイド因子

- リウマトイド因子
⇨IgG(免疫グロブリンG)抗体に働く自己抗体
リウマチ者の3/4で基準値を超えるが、1/4では陰性
リウマトイド因子が高値でも発症しない場合あり
他膠原病や肝臓疾患でも陽性の場合あり
抗CCP抗体、メタプロテイナーゼ3

- 抗CCP抗体
⇨環状シトルリン化ペプチドに対する抗体
初期リウマチ患者の3/4で検出される
高値では関節破壊の進行が早い - メタプロテイナーゼ3
⇨滑膜の中で作られる酵素
炎症性サイトカインの刺激で増える
炎症が収まると減る
治療薬の効果確認にも使用
画像検査

- 画像
- X線、超音波、CT、MRI
- 超音波では、骨内部は確認できないが、滑膜の評価、骨びらんの有無を、早期から知ることができる
- CTは頸椎や大腿骨頭などの状態を確認する
- MRIは、滑膜増殖の程度を知ることで早期診断に役立てられる
関節リウマチの治療
治療で目指すこと

- 関節リウマチは完治はしない
- 症状を軽減または消失、進行を止めるようにコントロールは可能
- 臨床的寛解
関節の炎症、痛みがない - 構造的寛解
関節破壊が進んでいない(すでに破壊されている場合を除く)
- 機能的寛解
自由に動かせる - 3つの寛解が全て揃うと完全寛解
治療で大切なこと

- 自己判断は行わない(医師の指導を守る)
- 薬物治療は調整も含めて時間がかかる
- 症状が軽快しても油断しない
- 症状がなくてもリウマチの進行はあり得る
- 初期治療が一番効果が出やすい
- 治療薬の効果や副作用について医師にしっかりと相談する
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関節リウマチで生活しやすくなる工夫
休息

- 関節リウマチの症状には波がある
- 症状の全てはコントロールできないが、コントロールしやすくするために日常生活の過ごし方を見直す事は重要
- 休息
疲労感や体のだるさを感じる場合、休息をとる
適度に休憩しながら活動する
睡眠を十分にとる
重量物を持たない
立ち仕事は控える など
冷え対策、食事

- 冷え対策
体が冷えると関節が動きにくくなる
サポーターの利用
1枚多めに羽織る
冷房に注意 - 食事
栄養バランスよく摂取する
骨粗鬆症になりやすいため、カルシウムやビタミンDの摂取
運動、体重コントロール、喫煙習慣

- 運動
適度な運動を行う
関節可動域を維持し、筋力低下を防ぐ
関節への負荷をかけすぎない
痛みが生じない範囲で - 体重コントロール
体重増加は関節への負荷が大きくなる
適正体重を知り、維持する - 喫煙習慣
喫煙は治療効果を弱める
症状を悪化させやすい
薬物療法
薬物療法の概要

- 非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド、抗リウマチ薬、生物学的製剤
- 初期から抗リウマチ薬を用いる(関節破壊を防ぐ)
- 抗リウマチ薬の薬効が認められるまで、他の薬物を用いる
- 抗リウマチ薬の薬効が得られにくい場合、生物学的製剤も併用
- 長期的に寛解に至れば投与量を減らす
- 効果が出るまでは時間がかかる
- 再評価しながら調整していく
- 薬物療法への理解を深めることが大切
薬物療法における副作用と合併症

- 抗リウマチ薬や生物学的製剤は免疫を抑える働きがある
⇨感染症にかかりやすい - 感染症予防が重要
⇨マスク、手洗い、うがい、口腔ケアで肺炎予防、予防接種
- 規則正しい生活、バランスのとれた食事
- 感染症にかかったかなと思えばすぐに受診を
- 薬の副作用を把握しておく
- 少しの変化でも、気になることは医師に相談する
抗リウマチ薬

- 自己免疫反応を調節、抑制することで炎症を抑える
- 早期から用いることで関節破壊を防ぐ
- 服用後、効果確認まで1ヶ月程度
- 非ステロイド系抗炎症薬やステロイドを併用し痛みや炎症を抑える(抗リウマチ薬の薬効得られれば減らす)
- メトトレキサートがよく用いられている
- 葉酸(ビタミン)の働きを阻害する
⇨炎症では免疫細胞や滑膜細胞が活性化するが、細胞中の葉酸 の働きを阻害することで活性化を抑える→炎症
を抑える

- ブシラミン
・免疫機能を調整
・約50%の方で効果が現れる
・第一選択薬、またはメトトレキサートとの併用 - サラゾスルファピリジン
・免疫機能を調整
・メトトレキサートの効果が不十分な場合に併用することが多い
・約60%の方で効果が現れる - タクロリムス
・Tリンパ球の働きを抑制し、免疫機能を調整
・少量で効果が出やすい
生物学的製剤

- 抗リウマチ薬の効果が十分でない場合に使用
- 遺伝子操作で作られたタンパク質を用いる
- 特定の分子に作用する
- 炎症で作られる、炎症性サイトカインの放出や働きを阻害することで炎症を抑える
- いくつかのサイトカインに対する阻害薬がある
- 抗炎症作用が強いが、免疫低下を招くこともあり、感染症には注意が必要値段が高く、注射や点滴が行われる
非ステロイド系抗炎症薬

- プロスタグランジン(炎症に関連する酵素)の働きを抑える
- 関節破壊は止められないが、痛みの軽減に役立つ
- 抗リウマチ薬の効果が現れるまでの間に使用する
- 痛みが強くなった場合の頓服的な使い方
- 腎障害、胃潰瘍、肝障害、血液障害、発疹、喘息などに注意
⇨長期間の服用は良くない
- 座薬は効果が早く出やすい
- 塗布薬は副作用が出にくい
ステロイド

- 副腎で作られるステロイドホルモンを化学合成したもの
- ステロイドホルモンは代謝等で重要
- 抗炎症作用と免疫抑制作用が強い
- 長期間の使用で副作用が出やすい
- 炎症性サイトカインやプロスタグランジンの働きを抑える
- 骨粗鬆症、感染症、糖尿病、消化性潰瘍などの副作用
- 初期治療で、抗リウマチ薬や生物学的製剤の効果出現まで用いられる
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関節リウマチと手術
手術の概要

- 関節機能(運動性)、痛み、変形がひどい場合、手術療法を選択
- 膝や股関節の手術が多い
- 関節破壊による同部位の問題と、他部位へ問題が広がることもある
- 人工関節置換術は膝や股・肩関節に多い
- 手術は移動に困難が生じる前に行う
- 耐用年数は20年以上になっているが、状態により再置換術も行う
手術の種類

- 関節固定術はボルトなどで関節を固定する(頸椎)
- 関節固定術で固定のにより安定性が得られる
⇨関節が潰れることでの神経損傷を防ぐ
- 関節切除形成術は関節の一部を切り取る(足指など)
- 関節切除形成術により、変形や脱臼に対応する
- 腱形成術は腱断裂に対応
関節リウマチの手術とリハビリテーション

- 術後リハビリテーションが必要
- 基本的には手術翌日から開始する
- 下肢では状態によって全荷重可能かどうか異なる
- 痛みの状態に合わせたリハビリ内容
- ベッドでの関節運動、筋力トレーニング
- 平行棒→歩行器→杖での歩行練習
- 日常生活動作の練習
術後一定期間が経てば服薬も再開する


