「自分でできる」をキーワードに、リハビリ専門職である作業療法士の私が、健康情報を発信していきます
Blog
・・・ ・・・

脳卒中ガイドライン(2015)とエビデンスから見た遂行機能障害へのアプローチ!

今回、脳卒中ガイドライン(2015)から、エビデンスのある遂行機能障害へのアプローチについてまとめていきたいと思います。



目次

line登録もよろしくお願いします

ブログには書けない裏話、更新通知、友だち限定情報などを配信(完全無料)!まずは友だち追加を♪ 友だち追加

リハビリテーション職が上司から求められるスキルと役割

書籍を出版しました。

サラリーマンリハビリ職に求められるスキルと役割の全貌: 組織人として何を求められ、何を身につけ、どう行動すれば良いかがわかる

臨床を助けるnote





療法士で将来のお金が心配な方へ

リハビリテーション職種のための資産形成術-作業療法士の筆者が実際に行う資産運用法を実データを元に紹介-

訪問指導でお悩みの方、自信がない方

訪問指導で在宅復帰と住宅改修を成功させるコツ

在宅復帰につなげるカンファレンス術とは?

何をどう伝えると在宅復帰につながる?リハビリテーション職種のためのカンファレンス攻略術

在宅復帰の妨げになる排泄動作を攻略

どうすれば帰れるか?在宅復帰の妨げになるトイレ動作を解決!-入院中の下部尿路機能評価から動作・環境面への介入、他職種連携を駆使したアプローチ方法-

前頭葉障害に対するリハビリテーション

遂行機能障害リハ(GMT、自己教示法、問題解決訓練、TPM)

高次脳機能障害でアウェアネスどう評価し、どう高めるか

効果を高める!高次脳機能障害のリハビリテーション-アウェアネス(病識・認識メタ認知)をどう評価し、どう高めるか-

移乗動作に対する脳科学的評価、リハビリ(ブレーキ・フットレスト管理等のエラーを減らす)

移乗動作の問題(ブレーキ・フットレスト管理等)に対する評価とリハビリテーション-高次脳・認知機能障害に対する、脳科学的な考え方と評価・アプローチ方法-

注意課題のプリント課題

注意障害プリント課題データ(文字選択、計算、図形)

橋損傷のリハビリテーション

橋損傷のリハビリテーション(脳画像からの評価項目選定や治療戦略立案)

視床損傷のリハビリテーション

視床損傷のリハビリテーション(なぜその症状が出現するのか?脳画像からの評価項目選定や治療戦略立案)

大脳基底核損傷のリハビリテーション

基底核損傷(被殻出血)のリハビリテーション(なぜその症状が出現するのか?脳画像からの評価項目選定や治療戦略立案)

小脳損傷のリハビリテーション

小脳損傷のリハビリテーション何をするか、しないといけないか(神経システムの理解、脳画像の診方、評価項目選定、治療戦略立案、治療の具体例)

脳卒中片麻痺のトイレ動作(下衣操作)のリハビリテーション実践方法

研究結果から導く!脳卒中片麻痺者のトイレ動作(下衣操作)のリハビリテーション介入-神経システムを考慮した評価・アプローチの具体例-

脳画像の達人へ

新人・学生さんが脳画像の達人に近づくために!脳部位と機能局在、脳のつながりから考える画像の診方!

リハビリテーションと運動学習

リハビリテーションと運動学習!保持や転移(汎化)を促す方法!

認知症リハビリテーション

認知症における作業活動の重要性と課題設定、評価の支援とポイント〜脳機能面も考慮して意欲と運動学習を促し、ADL・IADLを促す方法〜

起立と着座動作のリハビリテーション

起立と着座動作が上手くいかないの原因分析〜誰でも理解できる筋活動とバイオメカニクス、脳機能との関連性も踏まえながら〜

感覚障害のリハビリテーション

感覚障害のリハビリテーション!脳科学と伝統的リハを融合させる考え方と実践方法〜随意性の促進も見据えて〜!

脳卒中ガイドライン(2015)とエビデンスから見た遂行機能障害へのアプローチ!

スポンサードサーチ

脳卒中治療ガイドラインについて知りたい方は

スポンサードサーチ

遂行機能障害についてのおすすめ記事

スポンサードサーチ

脳卒中治療ガイドライン(2015)について

「脳卒中治療ガイドライン2015」では、
・脳卒中一般
・脳梗塞・TIA
・脳出血
・クモ膜下出血
・無症候性脳血管障害
・その他の脳血管障害
・リハビリテーション
について、内科的薬物治療のみではなく、外科的治療、急性期における全身管理、嚥下障害と栄養摂取、合併症予防、リハビリテーション、地域連携等の視点から述べられています。

また、各論文のエビデンスレベルが5段階で評価され、それをもとに下図のように推奨グレードが決定されています。

スポンサードサーチ

遂行機能障害の臨床症状の捉え方についての復習

遂行機能とは、柔軟な方法である目標を達成するための様々な処理が協調的に行われた結果、もしくは人が自立して目的のある行動をうまく行うことができるようにする機能とされています。
これにより、人は新しい環境に適応し、目標達成を可能にします。
意思決定、問題解決、企画、課題の切り替え、新しい情報に照らし合わせた行動の変容、自己修正、新しい方略をつくる、目標形成、複雑な行動の順序立てなどの機能を含みます。

スポンサードサーチ

脳卒中ガイドライン(2015)と遂行機能障害へのアプローチ!

どのような戦略が推奨されるか

遂行機能障害に対しては、メタ認知を高める訓練や問題解決訓練が外傷性脳損傷患者において勧められているが、その効果や脳卒中患者への適応に関しては十分な科学的根拠はないとされています。

メタ認知過程(meta-cognitiveprocess)とは、

自己の内的状況の理解(自己意識,想起意識,認知と情動の統合)と,それを基盤として生じる他者認知(心の理論)や社会的認知を担う。

この機能に障害をもつ患者は,社会的判断を適切におこなうことができず,さらには,共感性の欠如,無関心,自己投影を必要とするユーモアの無理解,といった症状を示す。前頭極(ブロードマンの10野)との関係が想定されている。

柴崎 光世「前頭葉機能障害の認知リハビリテーション」明星大学心理学年報 2012,No.30,23―40

とあります。

メタ認知過程に障害が生じると、障害への気づきや、自己モニタリンング、誤反応の修正が行えない、自身の自己評価と他者の他者の客観的評価の不一致が起こるなど、日常生活を遂行する上で困難が生じることがあります。

エビデンスレベルの高いアプローチの具体例

遂行機能障害に対するアプローチとしては、様々な取り組みがなされていますが、質の高いエビデンスが十分にあるというわけではありません。
その中でも、比較的エビデンスレベルが高いものとしては、「GMT」「問題解決訓練」が挙げられます。

GMT(Goal Management Training:目標管理訓練

行動の遂行には、目標や目標と下位目標リストによって整理し、まとめられていると考えられています。
Duncanは、前頭葉損傷者が行動を計画的に、効率的に遂行できないのには、目標リストがうまく作れず、その利用もうまくできないと考えました(目標無視=課題から要求されていることが頭からすり抜けること)。
GMT(Goal Management Training:目標管理訓練)は、この考えに基づいてRobertsonが、遂行機能障害のリハビリテーション方法として開発したものです。
GMTは5つの段階に分かれており、ひとつずつ実施されます。

第1段階「立ち止まる!」:
オリエンテーションです。参加者には現在の状況を評価・把握し、これからすることへ意識を向けていきます。
自分の状況を把握することで、今自分にどうのような問題点があるのか、どのような点が困っているのか、どのように行動を変えていく必要があるのかといったことに変化を与えるきっかけになります。
この段階はとても重要で、自分が思っていることと周りから思われている状況にはギャップがあるかもしれません。

第2段階 「定義する」:
目標の選択を行ない、主な課題を定めます。
前途しましたが、自分の問題点、改善したい点、これからどうなりたいかというようなキーワードが重要になります。
自分の興味、関心、必要度、重要度といったことに目標設定は左右されます。

第3段階「リストを作る」:
第2段階での目標を下位目標(=ステップ)に分け、ステップのリスト化を行います。
目標を達成するには、それまでに細かい段階に分けることで自分が何を行うべきなのかがわかりやすくなります。
細かい段階に分けることで、できたときに何が一番良かったのか、どれができていないから行動が達成できていなかったのかなどを振り返りやすくもなり、次回の計画作成にも役立ちます。

第4段階「憶える」:
目標と下位目標 (=ステップ)を記憶し、課題を実行します。
段階は細かすぎると大変ですが、自分の記憶、実行できる範囲で設定できると、行動がスムーズに遂行しやすくなります。

第5段階「点検する」:
実施した結果と決めた目標を比較します。うまくいかなければ、最初の段階からやり直します。
最初からうまくいくことはないかもしれません。しかし、うまくいかないことは振り返る機会があるということです。
振り返ることによって、良かった点や悪かった点、良かった点のなかでもさらに改善できる点というように様々な発見があります。
その発見を、計画に利用することで、さらによい行動が行えるようになります。

訓練は実際の課題を通して行いますが、課題にはセラピストが提供する例題や対象者が実生活の中で行うこと、困難なこと、解決したいことを問題として用います。

問題解決訓練(PST:problem-Solving training)

problem-Solving training ; PST (問題解決訓練)は、von Cramonらにより脳損傷者の訓練方法として開発されました。
問題解決訓練では、認知治療と行動療法を組み合わせたものだとされています。
前頭葉損傷者では、脈略がなく、行き当たりばったりな行動をする患者が多く見られますが、思路を整えて行動に移る訓練を行うための訓練方法です。
問題解決訓練の目標は、問題解決行動の5つの側面を強化することにあります。

①Problem Orientation (問題の見当づけ):
患者は問題を単純視する傾向があるため、与えられた課題を簡単には解けない“問題として認識するのを助けます。

②Problem Definition and Formulation(問題の定義と公式化):
情報をくり返し読みこみ、全体を理解したうえで、問題の主要点を書き出すことを学ばせます。

③Generating Alternatives(代替案の案出):
できるだけたくさんの代替案を考えさせます。 ブレインストーミングのひとり版を行なわせるようなものです。

④Decision-making (決断):
複数の候補案の長所と短所、実現可能性をしっかりと考えたうえで決断することを学ばせます。

⑤Solution Verification (解決の検証):
失敗に気づくこと、それを修正すること、 最初の仮説にもどることを学ばせます。

これらの強化したい側面を学ばせるために、あらかじめ用意した課題が与えられます。

①アイデアの産出、 ②関連、非関連情報の選別、 ③複合情報の処理などを行なう課題となりますが、具体的には、連想ゲーム・ある話題の賛成論と反対論を集めること(アイデアの産出)、”求む”広告の作成・ 聴講ノート作成(関連、非関連情報の選別)、時刻表/予定表の読み解き・短編探偵小説・クロスワードパズルなど(複合情報の処理)
です。
課題実施の際にはセラピストが付きさまざまなレベル・種類のキュー (促し、暗示、 手がかり、ヒントの類)を与え、解決に向かっていきます。
この技術を対象者が獲得できれば、複雑な問題解決過程の細分化や簡略化して対処しやすくなることが期待できます。
考えやすい課題内容として、「いくつかの旅行会社のパンフレットから、目的にあった家族旅行をみつける」などの課題があります。

スポンサードサーチ

エビデンスレベルはないが、臨床でよく用いられているアプローチ

ここで挙げるアプローチは、ガイドラインで推奨されているものではありませんが、臨床において試すことが良くあるアプローチ内容になっています。

生活や仕事の空間の整理
引き出しや戸棚の分類と整理
カテゴリーに分けられた台所棚と冷蔵庫の整理
システム手帳、カレンダー、スケジュール帳などの利用
課題に色分けを行う(赤の印は最優先、青は2番目など)
個人データ補助具や時計のアラーム、携帯システム手帳、個人情報管理ソフトウェア(電子メール、カレンダー、課題と連絡先の管理、筆記、日記帳など)
適切な場所に、典型的な順序立てられた課題の一覧表を貼る
調理でのタイマー機能の利用

環境における邪魔なものを減らす
事務所の戸を閉めておく
必要なときに、「妨げないでください」というような合図を用いる
テレビやラジオを切って課題を行う
窓のブラインドを閉める
机、台所などで、散らかっているものを片付ける
電話応答システムの利用
業務時間を貼る

その日の計画の実行
2つ以上の課題を同時に行うことを避ける
家族は構造化された日課を作るようにする(夕食は毎日午後7時、洗濯は土曜日の午前中など)
多くの人が一度に話す状況を作らない
単純明快な指示を用いる
気晴らしのための休憩時間を適宜とる
自分の仕事の進み具合を確認する(一覧表で、終了した課題に印をつける、行わなければならない課題のためにシステム手帳をチェックする時間を設ける)

前頭葉障害に対するリハビリテーション

遂行機能障害リハ(GMT、自己教示法、問題解決訓練、TPM)

高次脳機能障害でアウェアネスどう評価し、どう高めるか

効果を高める!高次脳機能障害のリハビリテーション-アウェアネス(病識・認識メタ認知)をどう評価し、どう高めるか-

スポンサードサーチ

高次脳機能障害に対する介入でお悩みの方








呼吸療法認定士の資格を取りたい方は必見

呼吸療法認定士の資格勉強は隙間時間にするのがコツです。

呼吸療法認定士 eラーニング講座

スキマ時間勉強ならリハノメ

PTOTSTのためのセミナー動画が見られます。

各分野のスペシャリストが登壇しているので、最新の知見を学びながら臨床に即活かす事が可能です。

セミナーあるあるですが、、、メモ取りに夢中になり聞き逃してしまった。

なんてことはなくなります。何度でも見返す事が可能だからです。

高額なセミナー料+交通費、昼食代を支払うよりも、スキマ時間を見つけて勉強できる「リハノメ」を試してみるのも良いのではないかと思います。

臨床で差をつける人は皆隠れて努力していますよ。

長い期間で契約したほうが、月額が安くなります。

PT.OT.STのための総合オンラインセミナー『リハノメ』

PTOTSTが今より給料を上げる具体的方法

転職サイト利用のメリット

何らかの理由で転職をお考えの方に、管理人の経験を元に転職サイトの利用のメリットを説明します。

転職活動をする上で、大変なこととして、、、

仕事をしながら転職活動(求人情報)を探すのは手間がかかる

この一点に集約されるのではないでしょうか?(他にもあるかもしれませんが)

管理人は転職サイトを利用して現在の職場に転職しました。

コーディネーターの方とは主に電話やLINEを通してのコミュニケーションを中心として自分の求める条件に合う求人情報を探してもらいました。

日々臨床業務をこなしながら、パソコンやスマホで求人情報を探すというのは手間ですし、疲れます。

そういう意味では、転職サイト利用のメリットは大きいと考えています。

転職サイト利用のデメリット

デメリットとしては、転職サイトを通して転職すると、転職先の病院や施設は紹介料(転職者の年収の20-30%)を支払うことです。

これがなぜデメリットかというと、転職時の給与交渉において、給与を上げにくいということに繋がります。

それでも、病院や施設側が欲しいと思える人材である場合、給与交渉は行いやすくなるはずです。

そういった意味でも、紹介してもらった病院や施設のリハビリ科がどのような現状で、どのような人材が欲しいのかといった情報が、自分の持つ強みを活かせるかといった視点で転職活動を進めていくことが大切になります。

転職サイトは複数登録することも必要

転職サイトは複数登録しておくことが重要になるかもしれません。

それは、転職サイトによって求人情報の数に違いが生じることがあるからです。

せっかく転職サイトを利用するのであれば、できるだけ数多くの求人情報の中から自分の条件にあった求人情報を探せる方が良いはずです。

その分複数のコーディネーターの方と話をする必要がありますが、自分のこれからのキャリアや人生を形作っていく上では必要なことになります。

また、コーディネーターの方も人間ですから、それぞれ特性があります。

自分に合う合わないと言うこともありますから、そういった意味でも複数サイトの登録は大切かもしれません。

とにかく行動(登録)!管理人も登録経験あり!転職サイトのご紹介!

ネット検索にある転職サイトの求人情報は表面上の情報です。

最新のものもあれば古い情報もあり、非公開情報もあります。

各病院や施設は、全ての求人情報サイトに登録する訳ではないので、複数登録する事で より多くの求人情報に触れる事ができます。

管理人の経験上ですが、まずは興味本位で登録するのもありかなと思います。

行動力が足りない方も、話を聞いているうちに動く勇気と行動力が湧いてくることもあります。

転職理由は人それぞれですが、満足できる転職になるように願っています。

管理人の転職経験については以下の記事を参照してください。

「作業療法士になるには」「なった後のキャリア形成」、「働きがい、給与、転職、仕事の本音」まるわかり辞典

転職サイト一覧(求人情報(非公開情報を含む)を見るには各転職サイトに移動し、無料登録する必要があります)

PT/OT/STの転職紹介なら【マイナビコメディカル】

  • Facebook
  • Hatena
  • twitter
  • Google+

サイト内検索

管理人は年収40万UP、年間休日30日増!転職には専門サイト利用がオススメ!*経験、職種、地域、領域などにより異なります

カテゴリー

You Tubeでさらに詳しい解説をお届けしています!

学生指導や新人教育向けの資料販売!

リハビリテーション職種のための資産形成術

PAGETOP
Copyright © 自分でできるボディワーク All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.
error: Content is protected !!