前脈絡叢動脈領域梗塞におけるリハビリテーションのポイント
前脈絡叢動脈領域梗塞におけるリハビリテーションのポイントについて解説しています。
目次
前脈絡叢動脈領域梗塞におけるリハビリテーションのポイント
文献
- 前脈絡叢動脈瘤のクリッピング術─当院での治療成績と問題点─
- 前脈絡叢動脈領域梗塞の臨床的検討
- Branch Atheromatous Disease の急性期運動機能予後に関連する要因の検討
- CT画像による病態および能力の理解
- 脳卒中リハビリテーション医療と脳画像
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前脈絡叢動脈について
前脈絡叢動脈の特徴

前脈絡叢動脈は内頸動脈の後交通動脈分岐部より末梢部で分岐します。
前脈絡叢動脈は視索の表面、外側膝状体外側部、内包膝部・後脚、視放線の起始部、淡蒼球内側部、海馬、扁桃核後内方部、大脳脚内側、脈絡叢などに灌流しています。
前脈絡叢動脈は直径0.7-2.0 mm(平均1.2 mm)と細い動脈となっています。
前脈絡叢動脈は脳血管穿通枝領域の全般的な梗塞を呈する分枝粥腫病(Branch Atheromatous Disease:BAD)を呈することが知られています。
Branch Atheromatous Disease:BADとは?

ラクナ梗塞とBADは混同しやすいため注意が必要です。
ラクナ梗塞
前脈絡叢動脈などの穿通枝(細い血管)動脈において、末梢部の閉塞により生じる直径15mm以下の梗塞です。
Branch Atheromatous Disease:BAD
前脈絡叢動脈などの穿通枝(細い血管)動脈において、起始部の閉塞により生じる直径15mm以上の梗塞です。
BADは他のアテローム血栓性脳梗塞と比較し生命予後は良好であるものの、運動機能予後は不良とされています。
BADの梗塞部位となるであろう内包後脚や放線冠は小さな病巣でも予後不良とされています。
BADは上下に複数のスライスに拡がる特徴をもった脳梗塞です。
穿通枝(細い血管)動脈
レンズ核線条体動脈、内側線条体動脈、前脈絡叢動脈、視床膝状体動脈、視床穿通動脈、傍正中動脈など
前脈絡叢動脈の脳画像


前脈絡叢動脈は、松果体レベルのスライスで確認が行いやすくなります。
前脈絡叢動脈領域梗塞では、多くは内包後脚に棒状の梗塞巣を認め、それを中心に個々の灌流域に拡がる梗塞となります
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前脈絡叢動脈領域梗塞における症状

前脈絡叢動脈領域の梗塞では、古典的3徴(対側片麻痺、感覚障害、同名性半盲)が出現する事はよく知られています。
しかし、これらの症状はそろって出現するわけではありません。
前脈絡叢動脈は扁桃体も栄養していることから、情動障害を生じる可能性もあります。
また、扁桃体周囲には海馬傍回もあることから、記憶障害を生じる可能性もあります。
内包の問題では、内包後脚では運動麻痺と感覚障害、内包膝部では遂行機能障害や記憶障害、情動障害が生じる可能性があります。
淡蒼球の問題では、筋緊張制御や意思決定の障害が生じる可能性があります。
内包レンズ核後部の問題では視野欠損が生じる可能性があります。
半側空間無視は視床核と大脳皮質問の視床皮質結合の障害が原因になると推測されています。
リハビリテーションのポイント

内包後脚の損傷により運動麻痺は重度となり、また感覚障害も合併していることが多くなります。
身体機能障害のみではなく、高次脳機能障害の出現も考慮し評価を進めて行くことが必要になります。
特に、半側空間無視または視野欠損を合併していることもあることから、リスク管理には注意する必要があります。
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