脊椎圧迫骨折で日常生活動作能力が低下しやすい人の特徴と対策

目次

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脊椎圧迫骨折とは

脊椎圧迫骨折は、高齢者の3大骨折の一つとして挙げられています。

他の骨折としては、以下のようなものがあります。

 ・橈骨遠位端骨折
 ・大腿骨近位部(頚部、転子部)骨折

高齢者の骨折の背景には骨粗鬆症があると言われています。

脊椎圧迫骨折は、転倒などで尻餅をついたりすることで発症しやすいことが特徴です。

骨折部位としては胸椎と腰椎の移行部に多いとされています。

受傷機転がはっきりしない場合もあります。

主な症状は骨折部の痛みです。

多発性の場合、円背や低身長化が生じるとされています。

骨折の状態によっては神経症状を伴い、その場合痺れや運動麻痺が生じることがあります。

脊椎圧迫骨折後の日常生活動作能力の低下について

脊椎圧迫骨折後、日常生活動作能力(以下ADL)が低下しやすい人が一定数いることが指摘されています。

通常、骨癒合と脊椎の安定性が促進されて、日常生活動作能力は回復します。

しかし、骨折後数か月経ってもADLに障害が残る場合があります。

ある研究では、約20%の人が日常生活動作能力が低下するとされています。

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圧迫骨折後の日常生活動作能力の低下についての研究

今回紹介する研究です。

Matsumoto Tomiya. et al. Prognostic Factors for Reduction of Activities of Daily Living Following Osteoporotic Vertebral Fractures.Spine 37(13):p 1115-1121, June 01, 2012. 

この研究は、前向きコホート研究が用いられています。

この研究手法は、ある時点から未来に向けてデータを収集し、疾病や異常の発生を追跡するような研究方法です。

25施設から310人の脊椎圧迫骨折患者を対象(保存的治療)としています。

登録時と6か月後に状態を評価しています。

単変量および多変量回帰分析を実施しています。

なお、多変量解析を行う前に単変量解析を行うことで、混乱を招くことなく分析を進めることができるとされています。
多変量解析は複数の変数(変量)の関係性を分析する手法です。

脊椎圧迫骨折後6か月時点で、310人中66人(21.3%)でADLが低下とされています。

多変量解析では、中柱損傷の存在(オッズ比[OR]、2.26、P = 0.022)および骨折前の定期的な運動不足(OR、2.49、P = 0.030)が、ADLの低下と有意に関連していたとされています。

なお、オッズ比とは、「1」より大きいと、発生する確率が発生しない確率より大きいことを意味します。

椎体の中柱損傷とは

椎体(背骨)は、前柱、中柱があります。

脊椎圧迫骨折は、前柱または中柱で骨折が起こります。

前柱は安定型の骨折と言われています。

一方で、中柱での骨折は「破裂骨折」と呼ばれています。

破裂骨折は椎体後方部の皮質骨が破壊されるため、不安定型の骨折と言われています。

破裂骨折では骨片の脊柱管への嵌入(かんにゅう)が生じる可能性があります。

これにより神経症状(足の痺れや運動麻痺)が生じる可能性があります。

これは、中柱の損傷では症状が重くなりやすい可能性があることを示しています。

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ADL低下を防ぐために必要なこと

脊椎圧迫骨折受傷後のADL低下を防ぐために大切なことを確認していきます。

まずは、骨折前の運動習慣の確認です。

運動習慣がない場合、骨折後の運動負荷の考慮と、今後の運動の継続が大切になります。

そして、中柱損傷(破裂)の有無を確認することも大切です。

破裂骨折がある場合、神経症状を出さないためにコルセット着用の徹底や禁忌動作(体幹前傾・回旋)の確認を行います。

神経症状の出現がないかを確認しながら運動を行うことも大切になります。

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