転倒予防とリハビリテーション-歩行での方向転換のメカニズムとトレーニング-
転倒予防とリハビリテーションとして、歩行での方向転換のメカニズムとトレーニングについてまとめていきたいと思います。
目次
転倒予防とリハビリテーション-歩行での方向転換のメカニズムとトレーニング-
歩行についてのお勧め記事
/トレンデンブルグ・デュシャンヌ歩行の原因となる外転筋力と股関節内転可動域の関係性
/回復期リハ病棟における脳卒中患者の歩行自立を許可するための条件は?
/圧迫骨折のリハビリと歩行練習!歩行(有酸素運動)が骨密度を高める!
/運動失調(協調運動障害)における姿勢や歩行制御能力の問題の捉え方とアプローチの戦略
/注意機能障害は歩行に影響する?注意機能と移動能力、転倒の関係を解説!
/歩行の評価指標「Dynamic gait index」の概要と評価方法、結果の解釈
/歩行のバイオメカニクスとリハビリテーション!歩行周期と筋活動から評価を考える!
/脳卒中片麻痺者の歩行で体幹が非麻痺側へ側方傾斜する原因と対策
スポンサーリンク
歩行における方向転換

- 健常者は、立脚側への方向転換はクロスオーバーステップ
- 遊脚側への方向転換はサイドステップ
- 方向転換に際して腰部よりも先に頭部の回旋が生じる
中村高仁 ・ 他:歩行中の方向転換動作における予期的姿勢制御に関わるステップ戦略の検討.理学療法 ― 臨床・研究・教育 23: 72–76, 2016. - 高齢者では、方向転換でクロスオーバーステップを用いやすい
Akram SB, et al.: Turning behavior in healthy older adults: isthere a preference for step versus spin turns? Gait Posture 31:23–26, 2010. - 身体重心が支持基底面より逸脱しやすく、ふらつきや転倒の原因となりやすい

- 歩行速度を減速させながら、立脚期後半に足関節底屈トルクを発揮させ、向転換角度の増加に伴い減速のために足関節トルクを用いる
- ステップターンでは、動作中に支持基底面を広く保ちやすい
⇨股関節外転トルクは少ない - クロスオーバーステップではより足関節底屈・股関節外転トルクが必要

- 股関節外転筋の活動
⇨股関節内転に伴う骨盤の反対側下制を制動
- 減速のための足関節底屈筋の活動
- 軸足下肢の荷重応答期の外側広筋と大腿二頭筋、中殿筋の活動
- 立脚中期-終期のヒラメ筋の活動
- 立脚期の脊柱起立筋の活動
⇨身体前進の減速に上記筋活動が必要

- クロスステップ(スピンターン)とサイドステップ(ステップターン)
- クロス:軸足は小趾支持中心
- サイド:軸足は母趾支持中心
⇨軸足の安定性が必要
下腿側方の筋群の活動と股関節の制動が重要 - 身体重心の進行方向とステップ脚の接地位置のずれが生じた場合、支持基底面上に身体重心を保てなくなり転倒につながりやすい
方向転換の評価

- どのようなステップパターンか
- ステップ幅
- ステップが身体からどの程度近いか(ステップ位置)
- ステップにおける身体の回旋量
- 体幹の安定性(側方・後方傾斜がないか)
- 減速加減
- 方向が切り替わる際の重心移動のスムーズさ
- 頭部位置と視線の方向

- 脚の前足部の可動域(足趾の可動域)
- 支持機能の評価(母趾、小趾荷重での踵上げ)
- 股関節の内外旋と屈曲伸展、内外転のコントロール(骨盤の向きを進行方向に向けるため)
- 股関節の筋力(求心・遠心性)
- 骨盤中間でのバランス制御
- 体幹の回旋
- 脊柱の伸展(前方重心移動やスムーズな回旋動作のため)
- 重心移動のための荷重位で股関節の内外旋や胸郭の回旋
- 反応や筋収縮の遅れはないか(バランス反応や立ち直り)
スポンサーリンク


